ベートーヴェンの頭蓋骨って、旅に出てたんですって。知らなかったです。そんなこともあるんだね。あるんだなあ。
ハイドンの頭蓋骨については死亡後わりとすぐ墓から盗まれて人から人へ、150年ぐらいさまよってようやく身体のもとへ帰還、という逸話があるんですけれど、ベートーヴェンの頭蓋骨が墓から暴かれ人の手に渡っていたなんていう話は知らなかったなあ。ベートーヴェンのコアなファンなら当然知っていることなんでしょうか。
このたびウィーンの大学にベートーヴェンの頭蓋骨(破片)を寄贈したのはアメリカの実業家。1990年、代々伝わるフランスの貸金庫の中に「ベートーヴェン」と書かれた箱があるのをみつけ、開けてみたら頭蓋骨の破片。それをなんでも鑑定団に持ち込んだところ、評価額はわずかに500円であった。
Beethoven skull fragments return to Vienna – BBC
https://www.bbc.com/news/world-europe-66261623
最後の鑑定団の下りはもちろんウソなので信じないでほしい。この破片はアメリカで研究されており、非常に価値があるものだ、と上のBBCの記事に書かれているので、おそらく本物という結論が出ているのでしょう。ではなぜ、アメリカ人の実業家が頭蓋骨を持っているのかというと、この男性の叔父・・・・・・っつーか、グレートグレート・アンクルって書いてあるからひーじーじ、もしくはひーばーばの兄か弟ですな。その方がウィーンの医師で、wikiによると骨相学(「頭蓋骨見たらその人の性格とかがわかるよ」っていう今では否定されている学問)もやっていたらしく、研究のためにベートーヴェンの骨が掘り出されたあと1863年にその破片をゲットしたと考えられているという。
んで、今回寄贈された破片は全部で10あり、そのうちの2つが大きくて、一つは後頭部、もう一つは額の右側あたりのものだそうです。ウィーン医科大学は「倫理的に責任ある方法で遺骨を扱うことが重要。公共の利益と個人への敬意との適切なバランスを見つけることが大切」と語った。ベートーヴェンは死後に自分の遺体を研究することを求めていたと言われており、研究を続けることはベートーヴェンの遺志でもあるのだそうです。そうなんか。
この頭蓋骨、そう、恐らくは本物だと思われる頭蓋骨の研究を通じて新たな発見が!!なんていうことが今後あるかもしれない。ウィーンの研究者たちもワクワクしていることであろう。
で、そののち鑑定団に持ち込み・・・やっぱり500円ってなったらどうしよう。オロオロ。ああ出品者の当惑の微笑がいたたまれない。
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