バレンボイム、辞任

世界中のというと言い過ぎでしょうけれど、各国のメディアが報道しているのでもうすでにご存じの方も多いかと思います。すなわち「ダニエル・バレンボイム、30年務めたベルリン国立歌劇場の音楽監督を今月いっぱいで辞任」。

Deutsche Welle
https://www.dw.com/pt-br/daniel-barenboim-deixa-staatsoper-de-berlim/a-64308423

New York Times
https://www.nytimes.com/2023/01/06/arts/music/daniel-barenboim-resignation-berlin.html

Le Monde
https://www.lemonde.fr/culture/article/2023/01/06/daniel-barenboim-quitte-la-direction-de-l-opera-de-berlin-pour-raison-de-sante_6156892_3246.html

年明け早々あるいは年末にはすでにこのニュースは決まっていて、一斉に情報解禁になった、と、たぶんそういう感じではないかなと勝手に私なんかは想像していて、キシシシ我ながら想像力がたくましいな!と思っていたり、思っていなかったりします(どっちや)。

それにしても1992年から30年間という長さはとてつもない。辞めるというのは英断だと言えましょう。ここまで来たら周りから「辞めたら」とも言いづらいし、本人も、仮に「もう無理かも」とか思っていたとしても「辞めます」ともいいづらいかと思います。ここに至るまでは皆様に細やかなハンドリングが求められたと思います。ご関係者の皆様、ご家族の皆様、お疲れ様でした。

「死ぬまで音楽はやるぞ」とバレンボイム本人が語っているのは心強いというか、素晴らしいことです。やっぱ表現者はこうでなくてはね。ボロボロになっても立ち上がる。その不屈の精神に人は感動するんですよ。

それにしても長期にわたってオペラハウスの監督を務めるというのは並大抵のことでは出来ない。バレンボイムはどうだとかこうだとか悪口を言う方もたくさんおられますが、並ぶ者のいない超超絶偉大な音楽家であることは絶対的に間違いがなく、悪口は慎みたまえと申し上げたい。あ、これもまた悪口か。人生って難しい。

そこで勃発するのが後任の問題でして、さあ、じゃあ誰が後任になるの、と言われたら、わからないネ、としかいいようがありません。先月オーケストラと一緒に来日したクリスティアン・ティーレマンが最有力っしょ、とはささやかれますが、果たしてどうなるか。劇場総歳のシュルツ氏(大変なのっぽさんです)によれば「急ぐ必要はない」「将来のため正しい判断をすることが重要であり、時間をかけることも十分あり得る」とのこと。

人事というのは意外性も必要だし、ティーレマンだとあまりにもまっとうすぎてつまらん、みたいに思う人もおられるかもしれないし、思い切って若返りを!(ティーレマンは63歳。バレンボイムが音楽監督になったのは50歳のとき)みたいなご意見もあるでしょう。

フィンランド人若手指揮者たちがアップを始めました(本当か)。

とはいえ、歌劇場の音楽監督っていうのはオーケストラの音楽監督以上に複雑で困難な仕事なので、あまり若い人だと難しいかもしれませんね。

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