アンドレア・ロベルトの爆発的テクニックと歌心

アンドレア・ロベルトの桁外れのテクニックが炸裂した昨夜のコンサートは皆様お楽しみ頂けましたでしょうか!そもそもの出発点は、本人からだったのです。ロッシニアーナ全曲を出来るけどどうか、という申し出でした。

おもろいやんやろうと言えたのは、パークニング国際というギター界で最も重要なコンクールの一つで優勝していて、超絶テクニシャンであることが判っていたから。ギター関係者に聞いても、全曲演奏会はいまだかつて聞いたことがない、ということだったので、これは面白い、ということと相成ったのでありました。もしかすると世界初の試みだったかも知れません。

でもね、ジュリアーニはもともと18曲書こうと思っていたんだよね。その志の半ばで倒れたのだ。わずかに6曲しか書かなかったのである、とはアンドレア・ロベルトが言った言葉でしたが、なんとなれば18曲全部弾いてもいいかもよ?というようなそういう余裕も垣間みられ実に心強いことだと思ったのでした。あなかしこ。なお、練習は大好きでむしろ練習中毒みたいなところもある、とも語っていました。好きこそものの上手なれ、が最上の形で現実になっている、といったところでしょうか。

バッハの無伴奏チェロ組曲なら3時間かかるところロッシニアーナなら2時間ぴったりで終わる。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全曲なら朝から晩までかかるところ、わずかに2時間。滅多にない全曲演奏会と言っても激しくやばい感じのものでもない。コンパクトに終わるマラソンコンサート。実に素晴らしい。

またアンドレア・ロベルトを日本にお呼び出来る日もきっとあるでしょう。これからの成長が楽しみな28歳のラーメン好きである。

ところで昨夜は照明がわりかし暗めだったことに気がつかれましたでしょうか。最初はもっと明るめの照明だったのですが、もうちょっと暗く、もうちょっと暗く、ということであの暗さになりました。さすがに超超絶暗い漆黒のリヒテルほどではなかったですが、それでもなかなか暗めでした。目に照明があたって集中できない、というのが本人のコメントでしたが、皆様は明るめの照明、暗めの照明、どちらがお好みでしょうか。

ケースバイケースではありますが、私は暗い照明も結構好きなんですよね。こう、なんというか、トンネルの中に入っているような、それだけで「しん」とするような印象が生まれるというか。電話が途中で鳴ってしまったのは残念でしたが、本人は「イタリアでは必ず鳴る、複数回鳴る、一回とかむしろすごい」みたいな感覚だった事をお伝えして本日のご報告を終わりにしたい。

とはいえ、携帯電話の電源は切るかサイレントにして下さいね。切り方が判らない?なら会場のスタッフに渡していただくとかしてくださってもOK!

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