アリス・アデール、自由自在。

むかしなんか学習本で自由自在っていう本があったな、と思いました。いまみたら今でも売ってるんだね。自由自在。すっかり今風になっちゃって。

アリス・アデールの演奏はじつに自在なコントロール。78歳とは思えぬパワー。驚きでしたね。ネット上でも大絶賛の嵐で、私はにっこりしたのでした(見つけた限りの皆様のツイートの大意はほぼ全部、ご本人に訳して伝えましたので)。ほら、青柳いづみこさんも。

カラフル。実にカラフル。

それにしてもどうして私は彼女の最近のコンサートをネット上で検索できなかったのだろうか。昨夜の夕餉の会でそれがわかりました。「そもそも本国フランスでも滅多に人前で演奏しないことで知られている」のだそうです。衰えてしまって引退、ではなく、もともとが人前にあまり姿を現さぬ幻の存在なのだった。幻の銘酒。いやピアニストだから名手。このあと帰国後も録音の予定があって、しかもその詳細は明かせないが、うっそまじで!!というようなびっくりのレパートリーのようなので(もちろん予定なので変更になることもあり得るのですが)、今後の発売については期待ができるかもしれない。

そういったことも、ご本人+フィリップ君(くんではなくぎみ、と読んでください。親しみと敬意を込めて)の発言からじわっと見えてきたのであった。「鰆」(さわら)のことを”マクロ・エスパニョール”と、グーグルに教えてもらってお伝えしたらフィリップ君は「マクロ・エスパニョールってんだウハハッハ!」と笑いながらこれはいいな!とかなんとかいいながら。とても気に入って頂いたらしく、マクロ・エスパニョール、エスパニョール、とむしろエスパニョールを連呼していた。エルサンかわいい。あとあん肝はFoie de lotte。ああlotteというのは醜い魚のことだな?左様で。

つまりアデールというピアニストは主にCDを通じ非常に高く評価されてきた、しかしなかなか実演に接することができない、というわけなのです。なので、今回日本に行く、と彼女が言ったのも、かなり大きな驚きだったようなのです。うっそ。日本なら。それだけ日本という国が持つ不思議な力、マジックというものがあるようなのだ。われわれはそこをもう少しだけ意識してもいいのかもしれない。

ほんで実際のところどうなんです?いけてる?とお尋ねしましたところ、日本は素晴らしい、とても満足している、ということのようなので、ビーン!と来た私はぜひ次回の来日の話が出来ないか、と、虎視眈々とチャンスをうかがっているのである。しかし慌ててはいけない。急いては事をし損じるというではないか。じわっとじっくりと、話をしていこうと思っているので、どうか全国の幻ファンは期待で油汗を額にかいてテカテカしながらお待ち頂きたいと思うものである。がんばれ自分。

とりあえず幻は本日15時に名古屋の御器所駅にあるハレ・ルンデに登場します。幻ハンターの皆様は集まったほうがいい。

アリス・アデール ピアノ・リサイタル
2024年2月18日(日)15時開演 会場:ハレ・ルンデ

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