バレンボイムは元気ですか。はい元気です。
先週土曜日はベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールで指揮をしました。オーケストラはバレンボイム=サイード・アカデミー・オーケストラ。いわゆるユースオーケストラです。この日がオーケストラのデビュー公演。
NEUES ORCHESTER GIBT ERSTES KONZERT -BR
https://www.br-klassik.de/aktuell/news-kritik/erstes-konzert-neues-orchester-barenboim-said-akademie-100.html
バレンボイムはベルリン国立歌劇場の音楽監督を退任したことだし、ワーカホリックだって言うけど、そのワーカホリック性をこれからは教育的な側面にも振り分けてドンドコドンドコと音を立てて力を注いでほしいと思うのは私だけではないでしょう。
そもそもバレンボイム=サイード・アカデミーとは何なのかというと、2016年にベルリンに作られた音楽学校で、主に中東や北アフリカの若い音楽家たちのためのもの。ベルリンで中東の音楽家を育てるというわりとアクロバティックなことをやっているわけですが、そんなことが可能なのはバレンボイム以外に誰がいるだろう。
80歳を越えて、しかも大きな病気を患ってなお新しいことをしようというのもなかなか出来ることではないですね。ものすごい精神力、まさしく化け物(褒め言葉MAXです)。私なんかちょっと胃が痛いだけで1週間ほぼほぼもぬけの殻だったもんな!!ようやく全快しましたけど。ええ。
なお今夜はパリでベルリン・シュターツカペレを指揮してアルゲリッチと共演(完売)。今週土日はウィーン楽友協会で息子とキアン・ソルタニ(チェロ)と3人でベートーヴェンのピアノ三重奏曲を幽霊大公含め全部で7曲弾くとかほんと信じられない(土曜の方の売れ行きはいまひとつ。ってかウィーン楽友協会のウェブサイトが新しくなってるな!青っぽい感じになって、前の色使いの方がいいな!と思ったんですが、座席指定予約に関しては3Dぽくなっていてぐりぐり動かせるのが気持ちいい感じだ)。
その後もバカスカ、とまではいきませんが、そこそこしっかりスケジュールが入っていて、80越えの爺さんのやることか、と。さすがに先日キャンセルしちまったリサイタルツアーはいまのところ予定されていないようですけれど、
もしかするとというか、いやきっとリサイタルツアーも帰ってくる、そう思わせてしまう何かが漂っている。
そしてバレンボイムはベルリンの名誉市民にもなったという情報も入ってきまして、あら、今ごろ?むしろずっともっと前にシチズンシップとかそういうものを貰っていたのでは、とも思うんですけれど、まあそれはそうとして、まさしく世界市民というような言葉も体現しているようで、すごいことだ。
真似できねえやこんちきしょう。
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