コンサートではプログラムを配布すべきかどうか問題

クラシック音楽のコンサート会場に行くと無料でプログラムが配られる事が多いですね。演目とかその解説とか出演者のプロフィールとかが掲載されているものです。有料のこともあります。日本では主に高額なコンサートの場合は有料で、通常の(通常のという書き方も変ですが)コンサートであれば無料で配られることが多いと思います。

このプログラムは必要かどうか、考えたことはありますか。

https://www.violinist.com/blog/laurie/20233/29541/

このURLで、「プログラムは紙がよいか、ほかのものがよいか」という投票をやってるんですけど、圧倒的に回答は「紙」が多いんですよ。まあそうだろうなとも思うんですけれど。

クラシック音楽のコンサートの場合、プログラムを演奏中に読むという行為がわりあい発生します。曲の特徴とか(どういう曲調であるといった事なんかが書かれていることが多いです)、曲の長さとか(各曲の大体の長さが書かれていることもあります)、歌詞とか(原語の歌詞とその和訳が掲載されていることもあります)、演奏者のプロフィールを知るため、という意味もあるでしょう。最後の方にスポンサーの広告が載っていることもあるんで、そこも読んでね。

しかし紙に印刷して配るということはそれだけ環境に負担をかけることでもあり、主催者に金銭的な負担がかかるということでもあります。割合はコンサートに必要な経費の全体からすればたいしたものではないかもしれませんけれど、それでも。

また配られたプログラムは、演奏中に音を出す場合があります。落下音やめくり音ですね。特に、プログラムに歌詞が書かれている場合、ページ数が増えるので演奏中に「めくる」という行為がほぼほぼ発生します。うっかり曲の途中でページめくりが発生するようなプログラムにしてしまうと演奏中にパラパラパラ!!と客席から一斉にめくる音が出ます。みんな一斉にめくっててなかなかおもろいなウハハ、チャンスオペレーション!とか思う奇特な方もおられるでしょうが、そう思わない人もいる。

紙で配るプログラム以外の手段はないのか。

そもそも配らない、というアイデアがあります。これはお客様からクレームが来ます。「なんで解説がないんだ!」と詰め寄られたことが私も何度かあります。最近のアイデアとして、あらかじめプログラムノートをオンラインで配布しておき、いつでも読めるようにしておく、当日はQRコードで読みこんでもらえるようにする、といったものもありますけれど、客席の照明が落とされた状態でスマホの解説を読むという行為は他のお客様の集中力を阻害する可能性がある。またスマホに着信して大きな音が出る可能性もある(サイレントモードにし忘れる可能性がある)ので、昼の屋外のコンサートやなんかならいざしらず、静寂が担保された日本のコンサートホールではなかなか実現できるものではないかもしれない。

最高の解決策はスマートグラスではないかなと思うんですがどうですか。メガネ。導入費用がめっちゃかかるし解決すべき課題も多くあると思うんですけど、わりとありなんじゃないかとも思うんですよね。音も出ないし、光で他人の邪魔をすることもないと思うんですよ、たぶん。

希望する人に有料で、いや無料でもいいのですがスマートグラスを貸し出し、演奏中に曲の解説を表示させる。もちろん視覚の邪魔にならないように。またウィンクとかそういうのでスイッチすれば演奏家の名前や経歴とかも出せるようにする。なんとなれば専門家によるリアルタイム解説みたいなものも表示させてもいいかもしれない。「ここからが盛り上がる所なんですよ」とか、「ここのコントラファゴットが実は私は大好きなんだよね」とか、「おおっと2番ホルン、いまの凡ミスはいけませんね、よくない」とか好き放題にチャット的な感じで表示させる。

演奏に飽きちゃった?大丈夫、マインスイーパーも遊べるようになってるから!おっしゃ!!

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