パリ・フィルハーモニーで照明弾が、と書かれていますが、大興奮の極みのサッカースタジアムで見られるような発煙筒的なものか、とも思うのですが、真っ赤な火がぶわーっと、パリの新しいランドマークでありますフィルハーモニーで焚かれました。
これはイスラエル・フィル(ピアノはアンドラーシュ・シフ)がベートーヴェンの皇帝を演奏している最中のことで、合計3回にわたって演奏中に妨害があった、おそらく同じグループの人たちで、パレスチナを解放せよ、という抗議だったようです。4人が逮捕されたと。
照明弾とか発煙筒的なものをコンサートホールで焚くのは、もちろん論外ですけれど、火事になる可能性もあるので非常に危険です。消防法にも間違いなくひっかかります(フランスの消防法がどうなのかはわかりませんが多分ダメ。いやそもそもダメ)。
コンサートホールでは木や布がたくさん使われていることもあり、火は厳禁なんですよ。どうしても直火をコンサートホールで焚きたければ、地元の消防署に予めこうこうこういうことをするんでよろしく、こういう安全対策が取られているんでよろしく、という「禁止行為解除」という申請を主催者がして、消防署が許可をしてはじめて可能になるものです。もちろんこの人たちは知ったことか、ですね。
動画を見ると、着火した人物が観客にめちゃくちゃに殴られていて、照明弾が床に転がる。これが椅子に燃え移らなかったのは幸いですね。床も木で出来ている(んだと思う)はずなので、少なくとも焦げたのではないかと思いますし、そもそもホール内に強い匂いが残ってしまったのではないか?掃除や修理は大変では??とも感じられます。
これはいけない。こんなことをしていいのか。
コンサートホールでの抗議活動というのは、これまではせいぜいバルコニーから叫んだり横断幕を掲げたり、ビラを撒いたりというそういう話ばかりでしたが、これはエスカレートしているという感覚を持たざるを得ません。
世界がギスギスしているいま、それがどんどん加速していっているのではないか。それを止める手立てはないのか。言葉の暴力を含め、暴力を振るうということをみなが思いとどまるよう、ひたすら願い続けたい。


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