ガーディナーのやり過ぎ案件。長年率いたオーケストラを首になったら新しくオケを立ち上げて、同じプログラムで同じ時期に同じ場所でツアーをぶち込んできた。81のじいさまがやるようなことか。やり過ぎの声もちらほら、いやむしろけっこうみなさん「やり過ぎ」一色か。
しかしアーティストたるもの、これぐらいとち狂っていてもいいのかもしれない、という思いがないわけでもないですね。自分が出来ないことをやってくれる、そういう、なんというか、アンビバレントなっていうの?いいのか悪いのかわからないけれど(いや、悪い)、やることがおかしい、ぶっとんでいる、そういうのに対するなんか憧れみたいなものもあったりするのかもしれません。
ガーディナーが新たに立ち上げたコンステレーション管のサイトを見ると今後のプロジェクトもガンガン決まっているようで、営業がすげえな、と思うんですが、同時にモンテヴェルディは大丈夫か、という気持ちにもなります。
ハンブルクのエルプフィルは何をやっても完売するとてつもないホールだということもあり、両方のコンサートをやることにした唯一のホールです。両方やるのか。言葉を付け加えておきますと、英国のアンサンブルは国からの助成金とかをあまり受けていないため、基本的に招聘にはびっくりするほど費用がたくさんかかります。
つまり、いや、勝手な想像で書いていますけれど、めっちゃ高いお買い物なのですよ、主催者にとって。英国のアンサンブルを一週間の間に2ヶお迎えするというのは、とてつもない経済的な負担であり、それを実現出来たのは、ほぼ確実に両方売れるやろとわかっているエルプフィル(あるいは予算がある、と言っていいのかもしれない)、エルプフィルだけでありました。エルプフィル、最高!!!
そしてどうやら本当に完売したようでありました。エルプフィルで働くのはさぞ楽しかろうな、と思うのであります。やりたい放題や!ええやん。
そしてルセとガーディナーが同じプロで激突!(正確には1週間ずれているわけですが)どちらも素晴らしい演奏だったというような事がニューヨークタイムズに出ていますが、どちらかというとガーディナーの方が印象的なコンサートだったみたいな締めくくられ方がされていて、じつに情緒的ですね。ガーディナー公演のあとはスタンディング・オベーションだったと。
人間とは不思議な生き物ですね。ポリティカルにコレクトかどうか、だけではないのであります。
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