サンフランシスコ交響楽団はどうなったの、どういうことなの、といろいろとささやかれているのは、サロネンが急遽辞めます宣言をしたからですね。長らく同楽団を率いたマイケル・ティルソン・トーマスの後任として大歓迎の声で迎えられたはずなのに、なぜか一期で辞めます宣言。
これは事務局側との対立のようだぞというようなことは言われていて、資金調達がうまくいっていないようだ、というような事とも関わりがあるのだと思われます。あくまでも推測です。ちなみにここだけの話を書きますが、サロネンの代理人は非常に難しい人物でもある、ということはまことしやかに言われていて、条件面でのハードルをものすごくあげているのではないか、ということは邪推が可能だった。
しかしこの期に及んではさすがにサロネンの代理人のせいではなさそうだぞう、という風に見えてきた。合唱団の予算の80%カットを提案とはおだやかではない。オーケストラの次期の予算は1250万ドル(19.68億円)の赤字になることが予想されていて、その対策として合唱団の100万ドル(1.57億)の予算を20万ドル(3,149万円)にしようというものだそうです。
1.5億円が3000万円になったらどうなる。なにもできなくなる。
アメリカの音楽家組合はこれに猛反発。合唱団の予算は楽団全体の予算のわずか1%にしかすぎず、カットをしたところで大勢に影響なし、という主張。加えて、合唱団がコンサートに参加するとチケットの売り上げはよくなる、とも主張。これはとてもよくわかります。合唱団のメンバーが家族友人知人にチケットを買って貰うと言う現象は日本でもよく起こることだと言われているからですね。
揺れるサンフランシスコ交響楽団。このあとどうなっていくのでしょうか。長く闘病中のマイケル・ティルソン・トーマスも心を痛めているにちがいない。皆がハッピーになる結果はないかもしれないが、なんとかバランスの取れたところで着地する事だけを願ってやみません。
ちなみにサンフランシスコ交響合唱団には152人のメンバーがいて、そのうち32人が給与を受け取っている団員で、のこり120人はノーギャラで歌う団員ということだそうです。
合唱団、大事ですよ。合唱のよさがわからないなどと舐めたことを言う人は11/28(木)に世界屈指の合唱団、ベルリンRIAS室内合唱団を聴きに横浜の桜木町まで来て下さい。
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