中川優芽花、大阪交響楽団およびザ・シンフォニーホールにデビュー

オフィス山根ではただいま何を隠そう、なにも隠さない、ツアーが二重で進行中なんですね。マルシン・ディラ、そして、昨日大阪でシンフォニーホールと大阪交響楽団とにデビューさせて頂いた、中川優芽花。

シュッとしたパンツスーツスタイルで。出てきた時にちょっとびっくりした、という声もありましたが、しかしこれは私も同意するんですが、ボワッとしたドレスは個人的には好きではない、とのこと。シンプルな装い、よろしいのではないですか。

しかし素っ気ないぐらいの衣装だがピアノの演奏は、実に、実にしっとりしていて、コシ腰がありながらもキレがあって、ピアニッシモでの表現の豊かさは、類いに稀れがありません。類いに、希れが。

こういう、なんていうのでしょうか、引き込まれる感じの演奏をするピアニストって本当に滅多にいないです。オケの方からも終演後にワーワーとお褒めの言葉を頂いているのを横目で見てまして「よしよし」と私は一人ほくそ笑んでいたのであった。これが中川優芽花の音楽が持つ独特な磁力である。

私が若かった頃、大学のオーケストラにアルゲリッチが来てですね。先輩諸氏が一緒に演奏したんですけど、ともかくオケとの会話が凄かったとみんなが言っていたのを良く覚えていまして、ピアノ協奏曲とは、ピアノが一人で自分の音符を弾くのではダメで(独り相撲禁止)、そりゃあピアノ協奏曲ですからソリストが目立つのは当然ですけれど、それでもオーケストラと共同作業で音楽を創り上げんければならぬ。

そういう意味で昨夜は、どうであったか。オーケストラと音楽で会話をして、お互いに相互作用で、とってもとってもいい感じであった。これが醍醐味であった。加えてどんなに強打しても絶対に割れない音、消え入りそうなピアニッシモでも芯の通ったピンとした音。最高やんか。

静かなところでは特に、オーケストラも優芽花の演奏に耳をそばだてていて、聴いていて耳がピーンと痛くなるような、そんな集中力がホールに生まれていたと思いますね。ご来場ありがとうございました。来てくれておおけに、毎度、またきてや。今後の活動にもご注目ください。

なお来週、9月11日水曜日は19時から、東京の浜離宮朝日ホールでリサイタルを開催いたします。昨夜ザ・シンフォニーホールで中川優芽花が「やべー」ことに気がつかれてしまった方、なんということでしょう、残念です!!いますぐチケットを予約して、築地市場駅まで駆けつけてください。

ソロ演奏がまたとんでもないんですよ。

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