バレンボイムの後継者問題

時間をかけて決めるべきである、と総歳のマティアス・シュルツ氏は語ったようですが、バレンボイムが辞任したベルリン国立歌劇場の次期音楽監督は誰になるのか。

ドイツのバイエルン放送によれば最も有力なのはもちろんティーレマンであると。バレンボイムの代わりに振った《指輪》が大成功した段階で「もう決まったようなものだ」と言われていた、と。しかしながら決定的とはいえないいくつかの理由もあるということです。

https://www.br-klassik.de/aktuell/news-kritik/nachfolge-generalmusikdirektor-daniel-barenboim-ruecktritt-staatsoper-berlin-100.html

●ティーレマンがこれまで経営陣とうまくいかずごたついた例がいくつもあること(ベルリン・ドイツ・オペラ、ミュンヘン・フィルやバイロイト)
●ドイツの文化相クラウス・レーデラーは文化施設のトップには近代的なリーダーシップを求める発言を繰り返していること
●2024年に退任する劇場総裁マティアス・シュルツに代わる次の総歳エリザベート・ソボトカはティーレマンのファンではないこと

これらがティーレマンにとってネガティブな要素であるのだそうです。

近代的なリーダーシップというのは抽象的ですが、独裁的だったバレンボイムに対するアンチテーゼというか、より民主主義的な感じの監督が求められているということでしょうかね。

では誰がティーレマン以外の候補者となり得るかということも書かれていて、第一に来るのがアントニオ・パッパーノだそうです。イギリスのロイヤル・オペラを長く率いた実績がある点に加えて、いわゆる現代的なリーダーシップを発揮できるともあります。指揮界のネットワークも豊富なのでほかの優れた指揮者をゲストに呼べる、という理由もある。

バレンボイムのアシスタントを務めた29歳のトーマッス・グッガイスについてはほぼない、と。なぜならフランクフルト歌劇場の音楽監督契約を結んだばかりというのが一番大きな理由で、そのほかサイモン・ラトル、ヨアナ・マルヴィッツ、オクサナ・リニヴの名前も挙がっているがいずれもそれほど有力ではないだろうとのこと。

2月12日にはベルリン議会選挙が行われる、その後にクラウス・レーデラーが文化相にとどまるかどうかでも雲行きは変わるかもしれない、ともあります。

コメント

コメントする