エリザベート国際コンクールで優勝したのはウクライナのウドヴィチェンコ。ウクライナ出身で初の優勝者となったのです。
優勝が発表されるとウドヴィチェンコは審査委員と順々に握手をしていった(これはコンクールでは通常のこと、礼儀)のですが、審査委員の一人、ヴァディム・レーピンのところにきたら手を後ろにすっとさげ、握手を拒否。これが賛否両論、争論を巻き起こしている。
よくやった支持するというコメントから(例えばリサ・バティアシュヴィリ)、あの振る舞いはクソだ!(例えばファイナルで共演したベルギー国立管のコンサートマスター)というネガティヴな反応までさまざま。レブレヒトのブログも書き込み多数。
ヴァイオリン・チャンネルがそれについて本人に質問して得た本人の回答によると「政治的な問題ではない。偉大なレーピンたいして何の恨みもないし、レーピンはこのコンクールの歴史の一角を成している。ただ、これは倫理的に正しいことではないと思った。ロシアにより両親の住むハルキウはたったいま爆撃を受けているかもしれず、ロシアの文化省に支援されているロシアの音楽祭の監督を務める人物との握手は正しいこととは思えなかった」。
お父さんもSNSでコメントを出し「ドミトロの行動がふさわしくないと思っている人のために短くコメントさせてほしい。ドミトロがブリュッセルにいる間、夕方になんどか話をした。ロシア軍によるハルキウ攻勢がさかんに行われており、ロケットや爆弾による砲撃があった。ありがたいことにファイナルの前にドミトロが1週間隔離されたことで、インターネットから離れドミトロは静かに過ごすことが出来た」。
レーピンはプーチン政権と近しいところにあり、トランス=シベリア芸術祭の創設者兼芸術監督。ノヴォシビルスク州政府から資金援助も受けている。バレリーナの妻は今年4月にソウル・アーツ・センターでの公演が予定されていました。しかしそれは抗議を受け中止になっています(私も韓国の知り合いからこの公演について山手線の中で聞いていて、「開催は無理だろうと思う」という見解も聞いていたのですが、その後中止になったのを知りました)。
レーピンからのコメントはいまのところないという。
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