最近「なるほど」という言葉が気になっています。同意するわけでも否定するわけでもない。いい方によっては同意の色も濃く出せるし、やや否定気味な意味を持たせつつも、だが否定するものでもない。不思議なことばですね。いや、言葉は常に不思議だ。なるほど・・・・・・。
そういうわけで今こそ使いたい。なるほどを。
ヴァン・クライバーン国際コンクールが、音楽事務所を作りました。その名前もザ・クライバーン・エージェンシー。
なるほど。
・・・・・・若干の当惑の色を読み取っていただけましたでしょうか。つまり、その、私はよくわからないんです。これが何を意味するのかがパッとはわからない。おそらく何らかの長期的な戦略があるのだろうな、という気はしているのですが、Webサイトに掲げられているミッションとかそういうのを読んでも、まあ当たりさわりのないというか、抽象的な言葉が並んでいて、なかなかその先というか「ほんで何がしたいん?」が簡単には見えないというか。
もちろん世界屈指のピアノコンクールから派生したスピンオフ企画的な事務所でありますからには、コンクールの覇者と何らかの関係を結んでいくのかな、とも思ったりもするのです。アーティストリストを見ましてもクライバーンコンクールのファイナリストの名前もありますし。
というかコンクールの存在意義というかジレンマというか。そもそもコンクールは若いアーティストを発掘し世に出すために存在しているわけですが、そしてクライバーンと言えばその最高峰に位置しているわけですが、コンクールそのものが注目されて、過去の優勝者あるいは受賞者たちへの配慮はなかなかできない傾向にあるのは確かですね。次の優勝者が登場すると前回の入賞者たちへの人々の関心も劇的に薄れるわけなので。あとは自分でやりや、頑張れ!
「持続可能性」これが今後の課題というわけか。アーティストも持続せな、持続してもらわなあかんやろ。なお持続のためには本人たちのたゆまぬ努力も必要だし、常に上を向いてのぼっていないと、すぐにその他大勢というくくりに飲み込まれてしまうのです。
コンクールはそれで終わりではなくそこが始まり。結婚と同じですね。てかそもそも結婚やコンクール優勝といった地点にたどり着くまでのハードルが高いわけだが、そのあともしっかりサポートしようぜ!っていうことなのでしょう。
そう、持続可能性。
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