この顔を見て誰なのかがすぐにわかる人はクラシック音楽カルトクイズ検定C-2級合格です(どういう風に格付けしてるのかは企業秘密)。
正解は:メトロポリタン歌劇場の第16代総歳、ピーター・ゲルブさん(69歳)です。
ニューヨークにありますメトロポリタン歌劇場というオペラハウスは、アメリカ屈指のと言ってもよいですし、世界屈指のと言ってもよい劇場であります。古くよりガンガン有名なアーティストが出演しておりまして、それはもうきらびやかなのであります。
そんなメトロポリタン歌劇場の総裁を務めるというのがどれほど大変なことかというのはすぐご想像がつくかと思うのですが、2006年以降ずっと、16年もの長い間このピーター・ゲルブという方がその職を務めていて、いろいろ批判も受けていますが、この人にしか出来ない、みたいな業績があるからこそ、長く君臨できていると思うのです。
そのピーター・ゲルブの役職名がかわったよ、というニュースを目にしました。
どういうことか、自分の権力をさらにいや増すため、特別総裁とか総総裁とか総総総歳とかになるんか、とか思った私が浅はかでした。
マネッティ・シュレム・ジェネラル・マネージャーとなったのである!!ババーン!!・・・。ほーん。
無理に直訳するなら「マネッティ・シュレム」総歳、ですか。
ま、命名権みたいなもんですかね。マネッティ・シュレムさんというイタリアのフィレンツェ出身でグッチと仲よくなってアメリカでグッチ販売を手がけて億万長者になったという女性のお名前のようです(彼女の人生についての詳しいインタビューはこことかにあります)。どのぐらいお金をお持ちなのかはわかりませんけれど、2016年に開館したカリフォルニア大学デービス校の美術館建設のために1000万ドル(当時のレートで10億9000万円ぐらい)をぽんと提供しているようなので、かいつまんで言うと「めちゃお金持ち」から「すんげえお金持ち」のちょうど間ぐらいかと思います。
なんで彼女の名称がピーター・ゲルブさんの役職に加わったかというと、それは当然、お金を出してくれたからですね。メトロポリタン歌劇場のため、というよりゲルブの仕事に感銘を受け、おそらくどちらかというとメトロポリタン歌劇場のためというよりピーター・ゲルブのために500万ドルを提供したとありまして、現在のレートで換算するなら7億2000万円にも達する。
これだけで多くの日本のプロオーケストラの年間予算にも匹敵するとてつもない金額であります。日本のオーケストラやオペラカンパニーにもこういう篤志家が続々と現れボーンボーン!とお金を使ってくれないかな、そうしたらみんなもっと浮かばれるのだが、と思いながら本日のブログを締めくくることといたしたい。
かしこ。
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