ベルリン・フィルのチェリストを長く務め、ベルリン・フィルのメンバーで構成される室内アンサンブル「ベルリン・フィル12人のチェリストたち」の創設者でもあったルドルフ・ヴァインスハイマーさんが先月、すなわち2023年4月11日に91歳でお亡くなりになっていたそうです。ザ・ストラド誌が昨日報じていて、遅ればせながら知りました。ベルリン・フィルには1956年から1996年まで40年在籍。
Founder of the 12 Cellists of the Berlin Philharmonic has died – The Strad
https://www.thestrad.com/news/founder-of-the-12-cellists-of-the-berlin-philharmonic-has-died/16470.article
ベルリン・フィルの公式サイトも:
Death of Rudolf Weinsheimer – Berliner Philharmoniker
https://www.berliner-philharmoniker.de/en/news/detail/trauer-um-rudolf-weinsheimer/
ところでベルリン・フィルにはさまざまなアンサンブルがあるのはご存じでしょうか。
えっ!オーケストラの中にグループがあるの?あります。部活みたいなもんですかね、部活。オーケストラといってもみんなやりたいことが同じというわけではないし、楽しいこともあればつまんないこともある。だから部活でストレス発散!しかも部活を通じてお金もゲット!アルバイト万歳!ひゃっはー!!とまあそういうことです(どういうことや)。
この室内楽グループ、オーケストラが公式に認めているもので(ベルリン・フィルの公式サイトに掲載があるもの)なんと35団体もあって、そもそも「ベルリン・フィルにはアンサンブルがわりとある」というイメージがを持ってたけど、ちゃんとみたらものすごい数やんけ。35もあるんか。どこに入ろっか、選びたい放題やん!(安心してください、選ばれません)
中には開店休業状態のものもあると思うんですよ。でもこれだけ室内楽のグループがたくさんあるっていうのは、需要があるのだろうなとも思うんですよ。ベルリン・フィルというオーケストラは激熱だがギャラ激高でもあります。そんな金額を支払えないよなあという方々がせめてベルリン・フィルのサウンドを手軽に楽しめねえかなあ、という時に、へいお待ち!とやってくる、それがベルリン・フィルの室内楽グループである!!ババーン!!
そのうちの一つ「ベルリン・フィル12人のチェリストたち」の発足は古く、1972年にまでさかのぼることが出来る。12人のチェリストたちっていうのはその名前のとおりチェロ12人でやるアンサンブルですね。なかなかないアンサンブルです。
跳躍しますけどチェロっていうのはね、航空券が2倍必要なんですよ。自分の隣に必ずチェロを置くので「チェロ席」とかCBBGとかそういう名前の席を買わないといけないの。なのでね。12人とは言え24席買わないといけないの。高いのよ。機内食はつかないよ。
そういうリアルなぼやきは横に置いておくとして。
ルドルフ・ヴァンスハイマーたまたま、大変珍しいチェロ12曲のための作品に出会い、録音したことからスタート。さらには、たまたま雨の日に車を運転していてヒッチハイカー女子を乗せたところ、その15歳の娘さんのお父さんが作曲家のボリス・ブラッハーだった!「お礼を」という娘さんに「お父さんに12本のチェロのための曲を書いてほしいと頼んで!」と言った。それがエンジン始動の要因。ええ話や。なおこの娘さん、タチアナ・ブラッハーは後に女優になる。
ベルリン・フィル在籍中より早稲田大学交響楽団(愛称ワセオケ)とも関わりを持っていたとストラド誌にあったのでワセオケのページをみたら訃報が出ていました。
長い間お疲れ様でした。ベルリン・フィルのチェロ軍は永遠に不滅です。
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