昨日は外山雄三氏の訃報があり、そしてアメリカではアンドレ・ワッツの訃報がありました。癌だったそうです。77歳。
Le pianiste André Watts est mort – Diapason
https://www.ledevoir.com/culture/musique/794554/1946-2023-le-pianiste-americain-andre-watts-est-decede
ワッツはキャンセルしたグレン・グールドの代役で16歳にしてバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルに出演したことで一躍有名になった。私が本腰を入れてピアノを勉強し始めて間もなく、ピアノの先生から「これきいてごらん、すごくうまいわこの人」と渡されたCDがワッツの弾くリストの作品集でした。
EMIのパガニーニ大練習曲のCDで、何度も聴いたな。これです。
今見たら「エステ荘の噴水」や「物思いに沈む人」なんかも入っていた。そうだったそうだった。パガニーニ大練習曲を勉強した時に、いよいよ自分もこの曲を弾けるようになったか(ろくに弾けなかったけど)、と思ったものです。
吉田秀和がラジオでワッツのピアノ演奏を指して「びゅーんと音が飛んでくる」というようなことを言っていたような気がします。いや、もしかすると吉田秀和でもラジオでもなかったかもしれないけれど、そうなんだ、なるほど、そういうもんなんだ、と、ピアノの聴き方というのでしょうか、そういうのも、間接的にではありますけれど、教えて貰った存在でした。
こういういい方をするのはあまりふさわしくないかもしれませんが、黒人ピアニストとして最も成功を収めた一人でしょうか。とはいえお母様はハンガリーの方なんですよね。なので、リストもよく演奏したんだと思います。2000年以降は病気がちで、確か武蔵野市民文化会館小ホールで予定していたコンサートも一回中止になったように記憶しています。
自分の人生の青年期をともにした(CDで、なんですけど)ピアニストでしたので、何とも言えない気持ち。
とりあえず今日は新潟に行って来ます。土日にゆっくりと演奏をまた聴いてみたい。
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