ニューヨーク・フィル団員、あっさり基本給20万ドルを獲得

数日前に15万ドルの基本給じゃやってらんねえということで問題になっているという話題が出たばっかりなんですが。

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20.5万ドルをもらえるよ、ということになってあっさりとその問題が解決した!むしろ万々歳や!みたいな話になっていて、これはなんですかマッチとポンプが同時に発動したのか、それともお茶の出番なのですか、などともいいたくもなるものでもありましょうが、しかし昇級はめでたいことでありますから、めでてえめでてえと喜びたいのであります。

今すぐ一気に増額されるのではなく、3年かけてやる。今シーズン15%アップ、そのつぎ7.5%、そしてそのつぎ7.5%と増えていくようであります。つまり今シーズンは15万ドルが17.5万ドルぐらいになるということですか。17.5万ドルというと今のレートで2500万円ぐらい。20.5万ドルというと2950万円ぐらい。

いやー、オーケストラの基本給が2950万円。いいね。日本はおろかヨーロッパでもなかなかなかろう。いまはガタガタしているとはいえアメリカを代表するオーケストラの一つでありますから、そういう意味では高給取りというのは正しいことですし、魅力なわけです。入りたい!という若者たちのモチベーションとなるわけです。芸術は金ではないという考えは古く、芸術も金です。

いや、ゼニが全てとはいいませんが、生活できること、さらには不安なく生活できること、これこそが芸術の一つのモチベーションであります。もちろん「なにがなんでもやりたい」という気持ちを持つことは必須ですが、それだけだとやりがい搾取など、ネガティブな方向にも行く危険がある。高給は大事です。

なお、入団テストについても、オーディションの最後までブラインドでやることが義務づけられ、オーディションの投票は無記名でやることも決まったということだそうです(むしろいままで無記名じゃなかったのかということに驚き)。これで多様性もさらに確保されると。ええじゃないか。

ところでニューヨーク・フィルはこの30%もの増額をどうやってカバーするのか。それについてはおもに寄付その他でまかなうとありまして、つまりお金持ちにちょうだいちょうだいとおねだりするということです。アメリカのオーケストラには寄付関係専門の仕事をしている職があるようなので、これは仕組みとして突飛なことではないのです。きっと。

スポンサーを持つことも大切だ!レッツ!高給!!っしゃあ!!

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