ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート2025のプログラムに載った史上初の女性作曲家は

女性やマイノリティを持ち上げることはヨーロッパでは大きなトレンドになっていて、日本だったら、「本当に素晴らしいのであれば、女性やマイノリティは問題ではない」ぐらいの考えが穏当というか、よくある反応ですけれど、ヨーロッパでは、「強引にでも平等にしなければならない」という考えの方が強いのではないか、という風に感じています。

もちろん私が勝手にそう感じているだけなので、全く間違っている可能性もあります。しかしどちらが正しい考え方なのだろうか、と思うとわからないし正解はやはりひとつではない、どちらにも真実がある程度ずつ含まれているし、偽善も少なからず含まれている、ようにも感じますけれども。

とりあえず、来年の1月1日の恒例行事、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート2025のプログラムが17日に発表されていまして、指揮はリッカルド・ムーティ。2021年の無観客開催の時以来なので、ムーティとしてもより気合いがこもりますでしょうか。

ムーティはどちらかというと保守派でしょうか。本流の保守とかそういう感じ?そういうムーティのコンサートですから、プログラムにそこまで目新しいものがなくても不思議ではありませんし、来年はヨハン・シュトラウスII世の生誕200年なので(なおブルックナーより1歳年下、ブラームスより8歳年上)、シュトラウスII世が多めかな?けれど、それでも何らかの新しいものをということで、加えられたのでしょう、それがニューイヤーコンサート史上初めて登場となる女性の作曲家の作品=コンスタンツェ・ガイガーによる《フェルディナント・ワルツ》。残念ながらSpotifyやナクソスミュージックライブラリーにも録音はなさそう(検索が下手なだけかも)。なので1月1日にぜひお聴き下さい。

ガイガーは1835年ウィーン生まれ、1890年パリ没。父が作曲家、母は宮廷に使える仕立屋。父から音楽の才能を受け継ぎ、6歳でピアニストとしてデビュー。結婚と同時にピアニストとしての活動からは身を引いたが作品はいまでも演奏されている。

そういう経歴だそうです。こういう作品を引っ張ってくる人すごい。だれかが引っ張ってきて、その中から選ばれたんだと思いますが!

なおムーティが登場するのは7回目(1993、1997、2000、2004、2018、2021、2025)。現役では圧倒的最多数ですね。そんなベテランで信厚い指揮者が200年という記念の年を祝うのもいいですね。保守的なウィーン・フィルにふさわしいといえますでしょうか。

この次がメータの5回ですが、年齢的にも7回には到達出来なそう。そのつぎバレンボイムとウェルザー=メストの3回。バレンボイムも体調的になかなか厳しそう。ウェルザー=メストはこの後数を伸ばしていきますでしょうか。

しかしニューフェイスの登場にも期待したいですね。次にニューフェイスとして出てきそうな人は誰でしょうか。トゥガン・ソヒエフあたりでしょうか。グラツィニーテ=ティラもやがて出てくる可能性がありますけれど、まだまだ先になりそうですね。

それではエンジョイ、ニューイヤー(まだ2ヶ月以上先だけど)。

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