今年はジェルジ・リゲティ生誕100周年です。
リゲティというのは作曲家の名前です。ハンガリー人です。いわゆる現代音楽と呼ばれるジャンルに区分けされる音楽を書いた人です。しかし現代音楽にありがちな「理解不能」「意味不明」「勝手にやってなよ」的な反応を呼び覚ます排他的な音楽ではなく、現代音楽ながらも聴いていて楽しい音楽を書いた人だと私は認識しています(ロックやポップスみたいな楽しさとは違いますが)。こないだのコパチンスカヤの演奏も凄く良かったぜ。
リゲティの音楽は映画でも用いられていて、とくにキューブリックが「シャイニング」「2001年宇宙の旅」「アイズ・ワイド・シャット」なんかでリゲティの音楽を使ってるんすよ。これだけをとっても、なるほど、リゲティ聞いてみてもいいかなって何人かの方には思って頂ける理由になるんじゃないかなと、そう思うんですよ。
とりあえずリゲティの最高度に愉快な音楽を聴いてみてちょうだいませ、2分なんで:
さて、リゲティの誕生日は1923年5月28日でした。つまりあと10日後にきっかり生まれて100年が経過することになるわけですね。東京でもトッパンホールが誕生日にあわせリゲティのコンサートを2日間やることになっている。両日ともにほぼ完売。きっと完売ですねこれ、素晴らしいことだ。
ほんで本家本元というか、地元ハンガリーのブダペストでは何をやるのか。来週の22日から一週間かけてリゲティ祭りをするらしいっすよ。これは全くもって意味ありありのイベントだ。暇とお金があればぜひ一週間滞在したいものだなと思うのですが、残念ながら暇もお金もないので私はパスせざるを得ないわけですが、暇とお金のある方は(しつこい)ぜひ飛んで行ってきて欲しい!!ゴーゴー!!
Ligeti 100 – Budapest Music Centre
https://bmc.hu/en/news/ligeti-100-festival-budapest-music-center-programme
そんなブダペスト・リゲティ祭りのハイライトは何か。
もちろんいろいろ興味深いわけだが、私的には、ずばり!!23日でしょう。同じジェルジのファーストネームを持つ97歳!の作曲家ジェルジ・クルターグが出演する(エトヴェシュと公開対談する)。まじですか!さらにもっと衝撃的なのは28日、最終日にそのクルターグの新作が演奏される。100年を記念したトリビュート作品をクルターグは作曲したというのです。おお、まじか!
いや、クルターグはもう何年も前に、妻と二人でピアノを演奏する姿が話題になっていましたが(下の動画。調べたら2015年11月でした。90歳の時の演奏ですね)、97歳になってまだ人前に出て話をしようか、作曲もしようか、というのだからとてつもない話であります。
超高齢の作曲家は一体どういう作品を書くのか。タイトルはずばり Ligeti‘s century – Roaming in the past –日本語になんとなく訳すなら「リゲティの世紀 – 過去に彷徨う-」 とかそういう感じ。センスない言葉選びですいません。
すぎやまこういちが持つギネス記録、84歳292日を楽々越えてくる驚愕の記録でありますね(とはいえすぎやまこういちさんの記録は「最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家」というくくりですが)。
ちょっと調べた限り97歳で作品が初演される作曲家ってかつてなかったのでは?私より遙かに詳しい皆さん実際の所どうなのか教えてください。リゲティじゃなくクルターグで一人で盛り上がってごめん。
コメント
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2012年に103歳で亡くなったエリオット・カーターは、2012年にも何作か発表しているので、クルターク氏にも頑張っていただかねば。