ラルス・フォークトの最新インタビュー動画

先月、ニュルンベルクの自宅で行われたというラルス・フォークトのインタビュー動画が公開されているというわけで見ました。朝5時頃「あーねみー」と思いながら目を閉じながらスマホで音だけを聞いていましたところ、トットットットッ・・・・という足音が何処かから聞こえるではないか!!・・・すわ、おばけか!!ギャー!!

「パパ朝デスヨオキナサイ」

・・・末娘(2.97歳)であった。

珍客の襲来により途中で鑑賞は中断せざるを得なかったが、先ほど最後まで聞き終えたのでその旨ご報告差し上げたい。ありがとうございます。

日本でも人気のピアニスト、ラルス・フォークト(1970年うまれ、今年52歳)が進行性のガンと闘っている、ということは去年明らかになったショッキングな出来事でした。死んだピアニストと言われるよりも生きていたい、ということで、ピアノの演奏にも影響があるかもしれないという強い化学療法を受けることを選択。しかし動画を見ますと、ガンと闘っているという風には見えません。元気そうだ。だがいろいろとお辛いのでしょう。我々には想像することしか出来ません。

今年の秋には日本に来ることになっていて、いま見ますと10月、新日本フィルとの共演ですね。指揮とピアノの両方です。「行けたらいいな」と語っていましたが、実現することを祈っております。あと何年何ヶ月生きていられるだろうか、という発言には心をえぐられるようです。

全体的に落ち着いていて、考えながら淡々と語っていますが、心に響く素晴らしいインタビューなので、英語のわかる方は味わいながらお聞きになることをおすすめします。英語がわからない方も今はいろんな翻訳ツールがあるから、そういうのも活用してご覧になることをおすすめしたい。45分ぐらいです。

いろいろ面白いことを言ってますけど、一つだけ紹介しますと、まだまだ若かった頃、カール=ハインツ・ケマーリング(めっちゃくそ有名なピアノの先生)とディナーに行って、自分には学んでいない音楽がたくさんある、とフォークトが言ったら「ゆっくりやりなさい、人生を楽しむんだ」というアドバイスを受けたということでした。

音楽家も人間で、まずはなによりもその生を楽しむことが大切。そうだ、ゆるくやろうぜ!私もあせらずゆるくやっていこうな、って肩の力が抜ける思いがしました。

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