中途半端な写真ですいません。本当はもう少しいい感じに撮れた写真だったんですが、人が、顔が写っていたので雑に切り抜いた結果こうなってしまいました。コンプライアンスウウウッ!!!
世の中でホール不足が叫ばれる時代です。そうなの?と言われれば、そうなの、と返答をせざるを得ないというか、そうなんですよ、と言って、ハハハと乾いた笑いをするのです。
あそこが大規模改修で閉まる、あそこも、そしてそのあとはこちら、そういう感じで話を聞きます。時代というやつですか。高度成長期、あるいはバブル期の力でもってガンガン建てられたコンサートホールがいま、そろそろいろいろ大変なことになってるんで、改修しまっせ、みたいな話があるわけ。
で、神奈川県民ホールに関して言えば、かなり古くからの建物で、50年ですね。不肖私が生まれる前からあったわけです。その最後のコンサート、ありがとう神奈川県民ホールが昨夜開催されまして、裏方として隅っこで関わらせていただきました。オフィス山根の、表には出てこない裏方業務コーナー!!いよっ!待ってました!(そんなんあるんか待ってるやついるんか)
しかし50年の歴史は重いですね。日本でのワーグナー《指輪》初演はここ、とか、そういう話を聞きまして、ほえー、ほよー、とか思っているうちコンサートはつつがなく進行し終了。パーンとキャノン砲(特大のクラッカー)が飛ばされてお開きとなったようでした。
50年間、ここでいろいろなコンサートが行われていたのです。昔の建物ですから、バリアフリーとかそういう概念もまだまだ薄く、イケイケの日本、階段上等!そういう香りもあります。いろいろなホールの裏を見てきましたが、このホールの裏も実に味わい深く、迷路な感じがすばらしかったです(どこのホールもだいたい裏は迷路です)。よりよい使い勝手を求めていろいろ手が加えられてきたのでは、と思うようなところもあって、実にナイス。
建物の6階には英一番館というレストランがあって、おっしゃ記念お食事やで、と思って力んだところ開店前から激混みで入れず断念。ついに英一番館を体験することなく終わってしまった。海やお船が見えるスーパービューのこのレストランを利用してきた方々が別れをおしむためにお越しになっていたのですね。来ていた人たちの顔も心なしか上気して見えたぞ。ええやん。
公演が終わると最後は建物の電気が上から段々と消えていくセレモニー的イベントで、休館(建て替えへ)となったのでした。
ここで青春を過ごした、あるいは壮年期とともにあった、という方々も多いのでしょう。このあと新しい建物はどうなるのでしょう。まだ判らないようですけれども、ある関係者が「また全員でここに戻ってこれるといいですね!」と言っていた、その言葉がいいな、って思いました。じんわり味わい深い言葉や。
希望、望み、ホープ、人間にとってこれほど大切なことばもなかなかないと思います。日本のコンサート史に名を刻む様々な歴史を持つこのホールが、うわっうわーっ!ええやん!というホールとなって戻ってくることを信じて、さいならですね。ご関係者の皆様、お疲れ様でした。隅っこで最終公演に関わらせていただきありがとうございました。
というわけで今日からまた俺らは日常にもどるのだ(毎日が日常ですがね!!)
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