バイロイトで今夏「指輪」全曲を指揮していたピエタリ・インキネンのインタビューを読む

オペラワイヤーに、今年バイロイトで「指輪」全曲を指揮するという栄冠を得たピエタリ・インキネンのインタビューが掲載されています(8月26日に終えたばかり。なおインキネンのバイロイトそのものへのデビューは2021年の《ワルキューレ》)。

全文は以下からお読みいただくとして、

Q & A: Pietari Inkinen on Conducting ‘The Ring Cycle’ at Bayreuth Festival Opera Wire
https://operawire.com/q-a-pietari-inkinen-on-conducting-the-ring-cycle-at-bayreuth-festival/

私的におもろいなーと思いながら読んだところをご紹介したい。ごく簡単に。今日はいろいろ締め切りとかそういうのもあってね、そう、あまり時間がさけないんで。このブログっていっつもどれぐらい時間をかけて書いてますかと聞かれる事があるのですが、そんなに時間はかけていません。

なぜなら時間をあまりかけていたら日々の仕事に差し障りがあるからです。ブログも仕事の一つという風に考えることも出来なくもないのですが、しかしやるべき事やらねばならぬ事は「山」とか「てんこ」とかがつく「盛り」気味なので、そうおたおたもしていられないのである。毎日30分が目安です。早いときは20分、長いときは1.5時間ぐらい考えていることもないわけではありませんけれど。

さて、今年の夏はピエタリ・インキネンがついにバイロイトで指輪全曲を振る、ということで、ワクワクしていた方は少なくないのではと思うところなのですが、つつがなく終了したようでして、本人も夢がかなった!と興奮のご様子であります。恐らくメールインタビューだと思うんですが、バイロイト滞在中に書いていると思われる文章は読んでいて微笑ましい気持ちになりました。

「ひたすら準備に没頭していて街を見る余裕はない」。勉強をすることは素晴らしいことで、インプットがあってアウトプットが可能になる。優秀なと呼ばれる音楽家は勉強熱心、あるいは学ぶことに対してごく自然な姿勢で貪欲なのではないか、というのが私の考えだったりします。勤勉さ万歳やで。

「ピットは覆われているので、ホールに正しく届くよういくつかの部分は大げさに演奏する必要がある」「独特の音響を持つ劇場でのリハーサルはこれまでにないほど強烈な体験だった」。バイロイト祝祭劇場にはオーケストラの上に蓋がついているということは意外に知られていないと思うんですよね(説明がむずいですがステージの方にむかってちょっと開いている)。オーケストラに蓋をしちまった、なんていうオペラハウスは多分世界中でここぐらいしかないです。客席から楽団は見えないので、みんなラフな格好で演奏するっていうのも実はわりと知られていないかなと思います。

蓋をしちまったことによって独特な音響効果が生み出されているのですが、客席でどう聞こえているか指揮者や演奏家には全くわからない。なので昔見た映像では確か、指揮台の横についたお電話を使って客席にいる人と交信をして響きを確かめてました。それにしても部分的にかなり大げさに演奏するっていうのは面白いですね。やっぱりそうなんですね。通常通りやると聞こえない部分があるっていうことですね。おんなじように他のオペラハウスでやると歌がかき消されるっていうことですね。当たり前のことですが、当事者が言うと説得力が3割増しですね!(意外と少ない)

インキネンは2020年にそもそも指輪全曲を指揮することが予定されていたがコロナやコロナやコロナで3年越しに実現したというわけなので、本人にとってもより印象深く、意義深い滞在となったに違いない!

・・・さて、次にバイロイトデビューのニュースを聞いてみたい指揮者は誰だい?やっぱクラウス・マケラかい?(本人に聞いたことがあるんですけどオペラを指揮する時間がいまんとこあんまないらしい)

コメント

コメントする