バーチャルリアリティを用いてオペラ制作

フィンランド国立歌劇場ではデジタルツインと呼ばれるバーチャルリアリティの技術を用いて、オペラを制作しているそうです。そう、いままさに上演中の「トゥーランドット」もそれを使っている。ハンヌ・リントゥも仰天や!(仰天したかどうかは存じて居りませんあしからずご了承ください)

https://www.fastcompany.com/90851230/how-the-finnish-national-opera-used-vr-to-stage-a-century-old-production

どういうことかというと、VRゴーグルを被ることで、舞台装置、歌手の立ち位置、照明などを事前にチェックできるというすぐれもの。この技術の導入により、トゥーランドットの制作コストは75,000ユーロ以上(だいたい1000万円ぐらい)が削減され、1500時間が節約できたと歌劇場は語っているのだそうです。このシステムを開発したVarjoという会社による説明はこちら

ありとあらゆる場所から事前にチェックが出来るということで、ホワイトボードや模型を使った説明よりもはるかに簡単かつ直感的にわかっていい。ここに合唱は立てないね、といった現実的なポイントのチェックであるとか(現場あるある)、これだと音が客席に飛んでいかない、といったこともすぐにチェックできる上に、なにか舞台上で問題を発見した時の修正も簡単にできる。緊急避難のルートはこちら、ということも事前に確認が出来る。安心と安全を担保!!

実際にセットを組んじゃった後では、ここはダメダメですやん、みたいな問題が見つかったときもなかなか修正が出来ないこともあるだろうから、VRで事前にチェックして問題をあらかじめ潰しておくことで音楽家たちのストレスやフラストレーションもたまりにくいし、これまでかかっていた時間が大幅に減じることで舞台の完成度も高まることが期待されているわけです。すごいやん。

この技術を使って、演出もさらに豊かなものにできる、ということだそうで、このやりかたは今後のオペラの生き残り作の一つとなり得るでしょう。読み替え演出という、強引かつクリエイティブ精神の無駄遣いはそろそろ終わりにしてはどうでしょう。こういう方面で新しい可能性を見いだして行く方がよっぽど楽しい。

そしてそのうち演出:AI、出演:AI、演奏:AI、指揮:AI、客:AIという時代が来るのである!!ババーン!!(しゃれにならん)

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