デトロイト交響楽団と言われてすぐに出てくる名前であなたの年齢がわかります。アンタル・ドラティ。そうですね。とても優秀で長いクラシック音楽ファンであることがわかります。逆立ちして校庭10周してワンと言ってください。
デトロイト交響楽団は“ビッグファイブ”と言われるいわゆるアメリカ5大オーケストラにはギリギリ名を連ねていないが、その次、10大オーケストラには入るとされる名門であります。ドラティというハンガリーの格好いいお名前のおっちゃんがパワーアップさせたことでも知られている。
その後ネーメ・ヤルヴィ(15年)、レナード・スラトキン(10年)と来て、いまはヤデル・ビニャミーニです。誰かっていうとイタリア人の若い指揮者で、2020年から音楽監督。当初6年つまり2026年までの契約だったところ、さらに5年を延長して2031年までということになります。11年。この時点でスラトキン越えが確定だ!年数の問題じゃないのは知っているけど。どうしても年数で言いたくなるのは人の常ならむ。
DSO extends music director’s contract through 2031; album of Wynton Marsalis symphony on the way – Detroit Free Press
近頃は音楽監督と長く契約をするのがはやっているようだ、そしてなるべく早くに契約するのもはやっているような気もしますね。これは不安定な職業であります指揮者という人たちの心の支えであります。31年までは仕事がある!と思えると心に余裕が生まれ、より音楽に集中し、よい方向へと進むことが可能になるのではないか、と、そう思います。
そしてデトロイト交響楽団の財政が安定しているということとも関係があるでしょう。昨年度も33万ドルの営業黒字、資産も400万ドル近く上昇、とありますから、組織としても長期的視点に立って考えやすい。これが自転車操業ですと目の前のトラブルや問題をやっつけるためにひたすらエネルギーをとられてしまうことになり、うおりゃー!なかなかいい感じで未来を見据えられない。
デトロイト交響楽団、素晴らしいことだ。日本のオーケストラ各社にも栄光あれ!
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