メトロポリタン歌劇場にも環境活動家現れる。しかも1公演で2回

Photo: X @IsiahMagsino

環境活動家がニューヨークのメトロポリタン歌劇場の上演を妨害したというニュース。しかも1度退出させられ、公演が再開された後に別の活動家が現れ再び上演を妨害したという話。二段構えである。

これまで二段構えの環境活動家の妨害行為は、あったかもしれないのですが、話題にはなったことがないような気がしています。1回のオペラ上演中に2回もの妨害をされた側(メトロポリタン歌劇場)としては、もうなんというか絶句というか、ウーララ!しかもこの公演はクリスティアン・ゲルハーヘルのメトロポリタン歌劇場デビューだったそうなのですけれども、そんなせっかくのデビューも台無し。

Review: Climate Protests Upstage a Debut at the Met OperaThe New York Times

2度あることは3度ある、ではないですけれど、せっかくお金を払ってきていた客席の皆様は完璧に白けきってしまう、とてもじゃないがやってられませんわ、というような状態になったのではないかと思います。2回目以降は「またあるのかな、やだな」みたいな感じだったのではないでしょうか。

この事件について報じているニューヨークタイムズの批評家も、この後は自身も完全にショーに引き込まれることはなかった、と書いています。そして2回目の妨害の後はかなりの空席が出来いた、と書いています。2回目の妨害のあと、およそ20分ほどの中断があり、総裁のピーター・ゲルブが出てきて、公演の続行を宣言するとともに、客席の照明を暗くせず進める、と説明したそうで、どうして明るくしておく必要があったのかは判らないのですが、それもまたがっかりというか、テンション下がるわーという感覚が生まれたのではないか、と思います。

2回も中断をされたら聴いている側としては「なんかやる気でないなー」となることは十分にあり得ることですし、やる気出ない、からの、オペラ行くのやめよ、という思考が生まれたとしたら、それこそなんと言うか、彼らの目指すところ、思うつぼというか。なんというか、激しくモヤる。

実際の抗議中の映像がこれ

オペラという文化を滅ぼすことを目指しているか?なぜオペラなのか?と思うところでもあるので、ここは関係者一同も踏ん張りどころというか、どうしたらこういう人たちと折り合いをつけられるのか、上演中にこのような人々が登場することがないようなどんな対策を取れるのか、考えていかないといけないのかもしれません。

お客様としたら、安くない金額を払って上演を楽しみに来ている訳なので、公演を妨害するような行為に対してなんとかならないのか、と思われるのも当然のことかと思います。例えばお金を返してほしい!というクレームが劇場側に来ていることも考えられます。

そして劇場側としても、我々も大変な被害を受けている、と答えざるを得ないと思うのです。もちろん、一度でもこういう妨害行為を働いた人は永久に入場不可とすることは可能でしょう。しかし例えその人々をブロックできたとしても、共感する人たち、模倣者たちが次々と現れてはやってくる可能性も十分に考えられますし、持ち物検査といったものではさしたる抑止力とならないし防ぎようもないのでは、と思うのです。

強烈な罰金を科せられないのか?罰金を科したところで、彼らの側としては払うつもりもないし屁のカッパという所なのでしょうか。

これはなかなか頭が痛い。

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