協奏曲の演奏中に2回、弦が切れる

欧米で人気を誇るチェリスト、シェク・カネー=メイソンがパリのフィルハーモニーでショスタコーヴィチのチェロ協奏曲を演奏中に弦を2回切ったというお話です。切ったというか切れた。自ら望んで弦を切る人はいないから。不可抗力ですね。弦ちゃんはいつ切れるのか判らないので。そしてそもそもが演奏会中に1回切れるのだってレアなんで、2回というのは超絶レアイベントと言えましょう。

Sheku Kanneh-Mason casse deux cordes de son violoncelle en plein concertDiapason

この現場の動画や写真はなくて、場に居合わせた人によるレポートがフランスのディアパソン誌に出ているのですが、第3楽章で弦が切れたのでいったん演奏を中断、弦を交換するためにステージの袖にひっこんだ。「めったにないことなんだけど」戻って来てそう言って、それから切れたところの少し前に戻って演奏を再開する。カデンツァが終わってちょっとしたところでまた弦が切れた。

リハーサルの時の動画はありました:

えっ、じゃあまた止まったの?いえ、今度は、チェロのトップに座っていた人と楽器を交換して、そのまま演奏を続けた。そのチェロ奏者は次の奏者とさらに楽器を交換し、その人がそっと舞台袖に戻った、みたいなことが書いております。オーケストラでは弦が切れた時には楽器を後ろの人と交換して、そのまま後ろまでどんどん交換していって、一番後ろの人がその弦の切れた楽器を手に舞台袖に戻り、直して戻ってくる、という暗黙の?ルールみたいなのがあって、それに従ったということになりますか。

2回も音楽を止めるのはどうもね、、、と思ったのか。2回止まるというのもなかなかレアな事なのでお客様の方でも、おっとこれは!となると思うのですが、いずれにせよなかなかない不思議な体験となったことでしょう。

いや、永遠に切れない弦の開発が待たれる!ノーベル賞授与決定!(無理か・・・)

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 皆様も同じかもしれませんが、1986年、タングルウッドで、五嶋みどりさんがバーンスタインとの共演で、弾いていた、7/8の子供用サイズのヴァイオリンのE線が2度切れても、さも予想していたかの如く、平然とコンサートマスターが直前まで弾いていた、通常サイズのストラディヴァリウスとガダニーニで完奏したことを思い出しますね。
    私は、アンドリュウ・L・ピンカス著、「タングルウッドの夏」で、この出来事の詳細を知り、あるテレビ番組で、その時の映像を観て、本当に驚きました。今もことある度に関心のありそうな方には、視聴をお勧めしています。

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