イングリッシュ・ナショナル・オペラの人員削減案を受け音楽監督のマーティン・ブラビンスが辞任→オペラハウスが反発

イングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)というのは、ロンドンのオペラハウスで、英語でやるのが基本で、いわゆる第2のというか、ロイヤル・オペラに次ぐというか?彼らとは異なる路線でやっているオペラハウス、という理解でおります。間違っていたら誰か指摘してくださいすいません。

このENOがこのところいわゆる経費削減というか予算カットあり、ロンドン以外の場所への強制移転の話とかもあり(とりあえず移転の話は「先送り」になっているはず)、なかなか理解の簡単ではない騒動に見舞われていて、とてもとてもとてもとても大変そうだな・・・と思っております。関係者の皆様のご苦労はいかばかりかと。

そして先週の金曜日に2024シーズンから人員削減の噂が出て、その噂によると、オーケストラ奏者69人を50人にまで削減、さらに仕事量を年26週間にまで減らす(これまでの60%)という話なのだそうです。60%て。単純に考えると給与が2/3以下に減じるということですか。仮に年俸300万円だった人が180万円になったとしたら・・・それはきつい。時間が空いたから別の仕事が出来るでしょ、とまあそう簡単にいくものでもないと思われるので、シンプルにきつい。

この削減案を受け、7年間音楽監督を務めた指揮者のマーティン・ブラビンスが抗議の辞任をしました。さらにそれを受けイングリッシュ・ナショナル・オペラが、いやブラビンスは知っていたし話し合いの当事者だったし今後の削減案に同意していたし、ブラビンスには失望したし。という異例の声明をウェブサイトに掲載するという事態になっております。

English National Opera in chaos as music director quits over ‘severe cuts’The Telegraph

A statement from the ENO regarding Martyn Brabbins’ resignation English National Opera

真実はその人の立場によって見え方が変わってくるし、真実が一つとも限らない。それぞれの立場でそれぞれの主張、言い分が激しく食い違うこともあるというのがつらいところ。

ブラビンスとしては削減案に積極的に同意していたわけではなく、状況的に同意をせざるを得なかった、だが結果的にほかの音楽家たちが苦しむことになるのにそのまま自分だけ監督を継続するわけにはないかないと考えた、といったところではないか。しかしオペラハウスとしては「えっどうして、あんたいいって言ったじゃん!ふざけんなよフジコフジコ」と思っている、というあたりが最も確率の高そうな解釈でしょうか。外側からは判らず、推測するよりないのですけれど。

つらい。

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