バレンボイム、スカラ座へ

執念だなと思いますよね。執着している。きっとすごく。しかしその執着心が人を突き動かすのだ。

ダニエル・バレンボイムがなんとミラノ・スカラ座に復帰。復帰と言っても音楽監督とかそういうポジションの話ではなくて、ゲスト指揮者として、オペラではなく交響曲のコンサートに出演するということです。

https://www.teatroallascala.org/en/season/2022-2023/concerts/symphony-concerts/daniel-harding.html

https://milano.repubblica.it/cronaca/2023/02/12/news/teatro_scala_barenboim_sostituisce_harding-387658868/

指揮するのはモーツァルトの39、40、41番の交響曲ということで、最後の3曲の交響曲を一晩で、それを3晩やるということです。2月15、16、そして18日です。もうあさってやんけ。昨日リハーサルがあったんだと思うんですよ。それで、リハーサルをやってみて、いけるな、うん、いけるね、という判断が各方面でなされ、こうして発表になったのでしょう。

なお、急遽バレンボイムのために設けられたコンサートではなくて、もともとこの三曲を振る予定だったハーディングが「家庭の事情」でキャンセルしたため、その代役としての出演だそうです。歌劇場側は、誰にするか悩んだと思いますね。バレンボイムという案を誰が出したかは判りませんけれど、いける?いけるの?こないだの第九もベルリンフィルもかなりきつそうだったけど?みたいなのもあったと思うんです。「名前が頭に浮かぶ」から「打診する」までにはかなりの大きな精神的障壁があったと想像されるわけですが、それをやってのけたミラノ・スカラ座の判断はすごい。いや、当然なのか?

3曲も、モーツァルトの大曲を指揮するのはかなりきついはず。しかし執念の人バレンボイムの生き様も応援したいと思います。ゴーゴー!!ダニー!!

ちなみに前回ミラノ・スカラ座でバレンボイムが演奏したのは2021年11月4日で、この時も代役というか、指揮するはずのオーケストラ(シュターツカペレ・ベルリン)がコロナで演奏できなくなったため、代わりにベートーヴェンの30、31、32番のソナタを演奏したということなので、すなわち前回と急遽交代も一緒なら、最後の3曲も一緒という、極めて興奮するというか、なんたる偶然!なんたるチアサンタルチア!!と叫びたくもなるというもの(そんな人はいません)

すごい。やばい。頑張れ!!

さすがにオペラの指揮はきついのではって思いますけれど、もしかしたら「やるで」みたいな話も今後あるかもしれない、「トリスタンとイゾルデやります」とか言い出しかねない。全長6時間(休憩別途)のトリスタンが爆誕するやも知れぬ。それもまた佳きかな!・・・かな?

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