昨晩ワンオペ友の会なるものが都内四ッ谷区にて発足しまして、このクラシック音楽業界において輝かしい活躍をされているワンオペ社長の先輩諸氏と杯を傾け、時に怪気炎を、時にしんみりと、時にギハハハハハと笑って過ごしたのでした。いやはや、ワンオペで会社を回しておられる全ての方に完敗!間違えた乾杯!!(わざとらしい)
音楽家というのは孤独な職業だなと常々思っています。ピアニストも孤独だろう。それこそワンオペというか、自分自身がいいパフォーマンスを出し続けないと、評価されず消えていく。絶えず新しい才能も現れてくるので、埋もれぬため日々たゆまぬ努力が求められるのです。仕事なら何でも受けようぞ!というスタンスの人もすごく多いと思います。いっぺん断ったらもう二度とないかも、断ったという事実だけが一人歩きして、あいつは難しいやつだ、もう頼むの辞めよう、とかいうことになったらどうなる。
そういった恐怖心との闘いですね。孤独な闘いだ。
しかし、サー・アンドラーシュ・シフは決断した。2025-26年シーズンは、このアメリカの政治的状況を鑑み、アメリカツアーにいかないと。キャンセルすると。それが道義的な義務であると。テツラフやケラスに続いた形ですね。


シフはニューヨークに住んでいたこともあり、何百回ものコンサートをしてきた国であることから、決断は容易ではなかったようですが、それでも、芸術と政治、芸術と社会とは切り離せない。芸術家として、恐怖と不正義には反応しなければならない、と。希望は捨てないようにしよう。と。
ポーズだ、ピアニストは黙っていろ、十分に金を持っているから出来る偽善。
いろいろ言おうと思えば言えるのですけれども、しかし、こうして誰かが勇気を持ってメッセージを出す、そして実行する、ということはなかなか誰にでも容易に出来ることではない。相当な覚悟があってのことでしょう。仮に違う意見を持っていたとしても、尊重されるべきことではないかと思いますね。ニューヨーク・タイムズにはいろいろもっと書かれているのでぜひ課金して、翻訳してもらって読んでください。
全然関係ないかもですが、外交というのは、仲良しと話すことではない、仲良くなることが目的ではない、敵と対話をすることである。ということを最近どなたかが口にして、うむ、と噛み締めたのですが、よりよい世界を夢見ることを諦めてはいけませんね。
コメント
コメント一覧 (1件)
四谷三丁目でクラシックのスタインウエイのある自社スタジオ&レコード会社をやっております。
是非遊びにいらっしゃってください。