クラシック音楽における中毒の隠れた闘い、という記事がヴァイオリン・チャンネルに出ていました。
私が音大にいた頃、教員や学生の喫煙は当然のようなもので、学生ホールと呼ばれる場所はモクモクしていて、ゲーゲゲ、と思ったものでした。レッスン室は禁煙となっていましたが、平気でタバコを吸う先生もいました。あのー、高そうな弦楽器ですが、大丈夫なんでしょうかね、と思った事をおぼえています。タバコを吸うことでストレスを緩和する、そういうものなのかなとも思ったのですが、しかし、それにしても音楽家の喫煙率、あるいは飲酒率は高めだと思っています。
喫煙に関しては、その率は下がってきているのかどうかわかりません。さすがにいまではおおっぴらにどこでも吸えるわけではなくなっているのですけれど、率としては一般的な職業の方々よりも高いのではないかと感じています。
そしてアルコールについては、すいません、私が人のことを言えません。若者はアルコールをあまり飲まなくなってきているとか。身体によくないのであれば、そして人に大きな迷惑をかけるのであれば、飲みませんねん、というのも十分に理解できる。
しかし音楽家は、特にコンサートの後はアドレナリンドバドバにつき眠れない、という風に言う人も少なくはなくて、けっこう飲んでいるかもしれませんね。そして薬について言えば、さすがにドラッグ的なものに手を出す人はほぼいませんでしたけれど、βブロッカーなるお薬があって、これは緊張や不安を軽減するという理由から、けっこう飲まれているようです。知らんかったそういうお薬があるとは。副作用もあるので気をつけないといけないようです。
音楽家がステージ上で感じるストレスは半端ないんで。平然とした顔でみなさん演奏されますけれど、舞台を指してホロヴィッツは「世界で一番孤独な場所だ」と言ったそうですし、アルゲリッチも「今日は弾けない」などと言って周りを慌てさせるとか聞いたことがありますし、いやー、ほんと、そういう話を聞くとこちらもキュッと心臓に来るような気がします。
喫煙、飲酒、薬。ストレスとその発散のためこれらの依存症と音楽家との戦いですね。上記ヴァイオリン・チャンネルによればイギリスでは様々な団体が、音楽家と依存症に関するサービスを提供しているようです。本当に厳しく孤独な世界。ストレスとの戦いですね。いやほんとうに。
音楽家の皆様も、今日もご安全に。
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