昨日、そして明日にアムステルダムのコンセルトヘボウの小ホール(478席)で予定されていたエルサレム弦楽四重奏団のコンサートがデモ開催予告や殺到する抗議、あるいは昨今の状況によって中止に追い込まれた、というニュースを見て、これはなかなか簡単ではなさそうだなと思っていましたが、ホールの決定に対して逆に抗議の声が殺到し(エルサレム弦楽四重奏団も「脅しとテロリズムに屈した」と非難)、やっぱり土曜日はやることになった、という。
ホールが中止を決めたのは安全上の理由。そもそも抗議は殺到していて、デモも2つ予告されていて、とはいえデモは平和的なものだったようなので公演中止は考えられていなかったのだそうですが、ここへきてアムステルダム大学とその周辺での(恐らく過激な)デモが起こった。なので市や警察にも相談をし、内部でも激論を交わした末に、最終的にスタッフ、聴衆、演奏家の安全を保証できないという理由で、ホールの判断で中止したとのことです。
この公演ですね。
それを受けイギリスのピアニスト、ダニー・ドライバーが「これは民主主義と表現の自由に反する」とオンライン署名を始め、アルゲリッチ、サロネン、ムターなど13,000人以上の署名を集めた。
結果、ホール内で再度議論がなされ、明日の公演は復活、ただし開演時間を大ホールの公演とはずらす(サントリーホールでいうならブルーローズと同時開催というやつですね)。時間をずらしたのは、警備上の懸念を減らすことが出来るから、ということだそうです。大ホールと開演時間がかぶっているとその場の人の数も数倍になるから、リスクが高まるというのは想像ができます。
あとコンセルトヘボウのページを見ると、もともとは休憩ありだったようですが、「なし」になっている。聴衆の動きを制限することでさらにリスクを下げようということなのかなと想像します。なおチケットはもともとそうだったのかそれともこの騒ぎを受けてかは不明ですが「完売」。
明日の公演が無事に終わることを願います。
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