ただしいコンサート・ゴーアーとは

コンサート好きのことを指してコンサートに行く人、コンサート・ゴーアーという言葉があります。三度の飯よりもコンサートが大好きでたまらなくて、六本木一丁目からサントリーホールへの入り口へはこのルートでいく、とかそういうことを決めている方です。ほんまか。

私ならサードバーガーの前を通ってスペイン坂の脇の狭い階段を上がって行くけどな。

つまりそういうことですよ。その人の記憶としっかりリンクしているそれが大事。人生でなにをするのかが、一人一人にとって重要なのだ。

2021年になくなった有名なクラシック音楽ファン、ロイス・キルシェンバウムさんは有名な人物だったそうです。ごく普通の電話交換手で(電話交換手っていう職がいつまであったのかは判りませんけれど)、超絶質素な生活をしていたのに、クラシック音楽やオペラのコンサートに通い詰め、サインとかめちゃくちゃに持っていて、アーティストたちからもその存在を知られる存在で、むしろ彼女にサインをおねだりされることは、名誉というか、自分には才能があると考えて良い、みたいなそういう感覚でもあったみたいですね。

素晴らしいことだ。

その彼女が残したものは。

A Frugal Opera Superfan’s Surprise Gift: $1.7 Million for the Arts The New York Times

なんと400万ドルにものぼる高額の遺産だったのだとか!!ガビーン!!!普通に暮らしていて、しかもコンサートにかよいまくって(いわゆる一番やすいお席に座っている、あるいは立ち見だったそうです)、それで何億ものお金を残すとかどういうこと。

まあいわゆる実家が太いっていうやつだったのかも知れませんけれど、それでも質素に生きて、コンサートに通って、しかも大金を残し、そのうち170万ドル、2.5億円近くを芸術団体にボンボン寄付したというのはすごい話ですね。没後3年ぐらいかかってやっと支払いがはじまったというようなことが書かれているんですが、それはやっぱり親族から申し立て的な事があったからではないかと推測されるわけですけれども、残ったお金を自分の好きなように使うっていう意思が遂行されたわけだ。

コンサート・ゴーアーの極北。見事なまでの好事家。それこそがキルシュバウムという特別な存在だったのかもしれません

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