アメリカを代表する弦楽四重奏団であり、50年近くに渡って世界をリードしてきたエマーソン弦楽四重奏団がその活動に終止符を打ちました。最後はホームグラウンドとでも言うべきアメリカ、ニューヨークのリンカーンセンターにて。2023年10月22日。
Emerson String Quartet Performs Final Concert – The Violin Channel
エマーソン弦楽四重奏団、私好きなんですよ。名前の響きがいいよね。エマーソン。19世紀アメリカの詩人で哲学者のラルフ・ワルド・エマーソンにちなんでいるそうなんですがね。ヴァイオリンは第1と第2を設定せず、曲によって交代するというスタイル。そして途中からはチェロ以外立って演奏するっていうスタイルだったかと思います。変わってなければ。
最後のコンサートで演奏された曲は:
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番
ベートーヴェン:大フーガ
シューベルト:弦楽五重奏曲 op.163
おや五重奏が?これはどういう?そう、1979年から加わり、10年前の2013年に抜けたチェロのデイヴィッド・フィンケルが入って弾いたんだね。なかなか味な真似をするじゃないか。もういいや、と思って抜けた(たぶん)とは言え、やはり人生の長い間(34年)関わったグループが活動を終えると言うことになるとやはりいろいろとこみ上げるものもあったことでしょう。
デイヴィッドも(知り合いでもないのになれなれしく呼ぶやつ)静かに感動していたかもしれない。あるいは、Ohhhh!アメリカ的に大仰に感動していたかもしれない。あるいはもしかしてひょっとすると、リハーサルで大喧嘩してあわや公演中止か!みたいなことだったのかもしれない。恐ろしいことだブルブル。
日本には来てくれなかったんだね。しょうがないね。でもファンのみんなは安心してほしい。ファイナルシーズンの様子はドキュメンタリーに撮られてて、最後のコンサートもどうやらなんらかの形で発売?されるようだから。商魂たくましい。商魂は大事ですよ。
彼らはこのあとグループとして、個人として若いアンサンブルの指導をする、個人で演奏活動もする。なんとニューヨーク州立大学ストーニーブルック校にエマーソン弦楽四重奏団研究所なるものがあって、そこで教えるということもするらしい。
そんなん作ってもらえるとかすげえ。やっぱり世界をリードし続けたカルテットだからだね。
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