レオンスカヤはリヒテルとの数々の共演でも知られるジョージア(当時ソ連)のピアニスト。1978年からウィーンに住み、40年以上西側を生活の拠点としてきました。
そのレオンスカヤは今夜ロシアのサンクトペテルブルクでモーツァルトのピアノ協奏曲第9番《ジュノーム:》を演奏するということで、若干ざわついています。パヴェル・ブベリニコフ指揮、サンクトペテルブルク・フィルと。キリル読めないんで違うオーケストラかもしれませんけど。
いまロシアに行って演奏することは正しいことなのか、正しくないことなのか。
戦争が始まってからも、ロシア人ではなくロシアのパスポートも所持していない音楽家が、ロシアで演奏しているという話はないわけではありません。ちょっと調べれば出てきます。実際に行って演奏しているかどうかはわからないケースもあるわけですが、ネット上にあらこの人が、というような名前が出ていることもあります。
音楽は政治とは無関係だという意見もあるでしょうし、政治や世界情勢に興味がないから、あるいは生活厳しいんで、など、それぞれのケースで理由があるのだと思います。
では今夜、サンクトペテルブルクでジュノームを演奏するレオンスカヤについてはなぜ行くことに決めたのでしょう。ジョージアのトビリシ出身で西側に出て長い、ということから、ソ連とかロシアとかに対してあまり良い感情は持っていないのではないのか、とか勝手につい思ってしまうんですけれど、プロコフィエフみたいにアメリカやパリに住んで結局ソ連に戻ったみたいなケースもありますし、三つ子の魂百までみたいな、やっぱりなんか特別な思いとかがあるのかもしれません。レオンスカヤも77歳だし。
先日「新芸とその時代」という本を読みましたけれど、よく知った業界の先輩の名前がガンガン出てきて面白かったぜ!
・・・ってそういう個人的すぎる感想はどうでもよくて、ソ連からいろいろな音楽家が日本に来ていたことや、それに対する抗議活動もあった、といった話も書かれていて、当時と今とでは世の中の考えとかも違うだろうけれど、やっぱり当時もそうだったのか、そういうのがいままた繰り返されているのか、とも感じています。
今夜の演奏はYouTubeで生中継されるようです。
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