テレンス・ブランチャードのオペラ、ジャズ・オペラと呼ばれるとてもキャッチーなオペラ《チャンピオン》は、来週の月曜にニューヨークのメトロポリタン歌劇場でプルミエを迎えます。昨シーズンの《Fire Shut Up in My Bones》が完売したのを受け今シーズンはボクシングにまつわるオペラ。
Met premieres Blanchard’s `Champion,′ an `opera in jazz’ – AP
https://apnews.com/article/terence-blanchard-opera-champion-met-a907e1d82a6f1df370426b5a98aa5982
それにしてもボクシングのオペラとかなかなか想像がつかないっすね。斬新っすね。その昔「あしたのジョーでバレエの動きでボクシングするのがあったがバレエのステップは本当にボクシングに通用するか」ということで、トミーズ雅を相手にバレエダンサーがくるくる回って攻撃する、っていうナイトスクープのネタがありました。結果はトミーズ雅の一撃でダンサーはマットに沈む。そう、それほどまでに(どれほどまでに?)。
実際の《チャンピオン》予告編はこちらからどうぞ。なかなかノリノリでゴージャスな感じ。マッチョな黒人歌手をオーディションするのは簡単だったのだろうか。
とはいえこの作品は新作ではなくて、2013年にセントルイスで初演された作品の再演、というか、けっこうな改作なんだそうであります。オリジナルはキャストが18人という小ぶりな編成だったのをメトロポリタン歌劇場に合わせ巨大化。キャストは80人にまで増えているということだそうです。また歌手に合わせてメロディーなんかも変更を加えているということで、おお、これってかつてイタリアオペラがやってたこととおんなじやんね!後生になって原典版を作るときにめっちゃ悩むやつや!!べーレンライターがんばってぇ。
そういうのが現在進行形でなされているとか、それだけで胸が熱い!
なんか変なところで一人で盛り上がってごめん。
黒人作曲家として初めてメトロポリタン歌劇場でオペラが上演された、という名誉に加えて、この《チャンピオン》はテレンス・ブランチャードにさらなる名誉をもたらすことになるのです。それというのも・・・・「存命の作曲家の異なるオペラが連続したシーズンで上演されるのはリヒャルト・シュトラウス以降初めて」という名誉なのです。長い上にちょっとややこしくてわかりにくい統計資料でごめん。謝ってばかりでごめん。
しかしこれはすごい。なんということでしょ~う。ガーン。感動に打ち震えて私はしばし動くことが出来ない。
リヒャルト・シュトラウスの場合は《サロメ》(1943-44シーズン)そして《ばらの騎士》(1944-45シーズン)だったということなので、前回から数えて78年ぶりということになる。
今回の上演が大成功すること、そしてそれがメトロポリタン歌劇場の大きな改革そして前進へと繋がることを願います。
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