91年からメニューインの招きによりメニューイン音楽院で指導し、96年からはロンドンの王立音楽大学の教授も務めていたヴァイオリンの名教師、ナタリア・ボヤルスカヤがお亡くなりになったそうです。79歳。1946年ロシアに生まれ、71年からモスクワ音楽院ジュニア部門で教え、弦楽部門のトップを務めた。画像は彼女が楽器をオークションにかけた際のオークションハウスTarisioのサイトに掲載されているものです。
イギリスでロシアン・ヴァイオリン・スクール、いわゆるロシアのヴァイオリン奏法を伝え、それを広く確立した功績のある人物です。有名な門下生としてアリーナ・イブラギモヴァ、ニコラ・ベネデッティ、ヴァレリー・ソコロフなどがいると書けばその重要さがご理解頂けるでしょう。
え?誰も知らないから理解できない?安心して下さい。大丈夫です。だんだんとその功績の凄さをご理解いただけることと思います。基本的に毎日更新されるこのブログを継続的にお読み頂ければあら不思議、気がつけばボヤルスカヤさんのお弟子さん?ああ、コリーナ・ベルチャとクロエ・ハンスリップ、アレクサンダー・シトコヴェツキー、小野明子、ベンジャミン・ベイカーなんかもそうだよね、すらすらとそらんじられるまでになっていることでしょう。
ヴァイオリンの教育もそうだと思うのですが、大切なのは小さな一歩の積み重ねです。最初は誰も、無知なのです。無知であることを恥じないこと。そして、ちょっとだけ知っている事を自慢しないこと、それが成長の糧です。謙虚になって学びつづけることで成長し、豊かなライフを送っていただきたい、そんな気持ちで私も日々書いております。
ナタリア・ボヤルスカヤさんの功績に思いを馳せ、ご家族ご親族、そして御関係者の哀しみに共感し、そして、我々を含む若い世代の人たちが、次世代へと、クラシック音楽の素晴らしさをつないでいく、そういう風になりたいですし、ならなければなりません。


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