パガニーニ国際コンクールは変わっていて、何が変わっているかというと、開催年が一定しないんですよ。出発当初は毎年だったんですね。そもそも毎年やるメジャーなコンクールっていうのもなかなかないんですが、1954年~ずっと毎年。そのせいか、優勝者なし、っていう年もけっこうあります。
優勝者を出さない、ということについて、参加する若者に対して余りにも失礼、コンクールの傲慢さが現れている、といったコメントを出す人もわりとおられますね。コンクールで優勝者なし、という結果を出すことについて、いいのかわるいのか、そもそも優勝に必要な絶対的な基準があるわけではないし、という疑問はありますが、私個人としては、優勝者なし、という結果はあってもいいのでは派(そんな派があるのかどうかはわかりませんけれど)です。
なんか違うな、っていう直感みたいなものが誰しもあると思うのですが、審査委員が、なんか違うかも、みたいなイメージをもし共有するのであれば、なしもありなのではないか・・・。と考えるのですが、それはやはりよくないのでしょうか。
で、パガニーニ国際なんですけど、毎年やってたのが、2002年のあとからややこしいことになりますね。2年に1度になる。2010年のあとは5年あいて2015年、そのあと3年あいて2018年。かなりアバウトな感じで、これは実にイタリア的な!行き当たりばったり的な感じで結構好きです。ただ、2020年はコロナだから開催できなかったのでしょうけれど、2021年からは2年おきが2回続いていて、次回は2027年か?
出場する方も、一定しないからには、おっしゃ、4年後目指すで、とかそういう間隔を持てないわけですね。それがいいのか悪いのか、影響あるのかないのかはわかりませんが、世の中のほとんどのメジャーなコンクールがきっちりと何年に一回と決めているなか(ARDみたいにいろいろな部門が次々と現れるコンクールは除く)、このランダムさよ。
このたび優勝したのは中国出身アオジュ・ジャン(ジャン・アオジュ)。今年の仙台国際で3位入賞している2008年うまれの17歳。ヴァイオリンは若くしてばーっと出てくる人も多いですが、17歳でパガニーニ国際というメジャーなコンクールで優勝。おめでたいことだ。


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