昨日の環境活動家の話がありましたけれど、彼らの危惧が的中しているというか、環境の変化に伴ってオペラの上演が中止になったというニュース。
イタリア、ナポリ県のイスキア島で大規模災害(大雨と地滑り)が発生し、死者と行方不明者が多数出ました。犠牲になった方々への追悼と連帯の意思表明として、ナポリのサンカルロ劇場では昨日17時に予定されていた《ドン・カルロ》の初日公演を中止にしました。指揮はユライ・ヴァルチュハ。主要キャストはペルトゥージ、ポレンザー二、ガランチャ、ペレス。豪華なのはやっぱヨーロッパ最古の現役歌劇場ですから。
原文はサンカルロ劇場のインスタに。
次回以降の上演については未定。
出演予定のアイリーン・ペレス他アーティストも連帯を表明している。アイリーン・ペレスのツイッター「私たちの思いと祈りはイスキアの人々と共にあります」
日本でも雨の降り方なんか変わってきていて、線状降水帯とかゲリラ豪雨とか、私が若かった頃にはなかった言葉が使われるようになっています。自分自身も恐ろしく強い雨で電車が止まって、アーティストとともに新幹線に閉じ込められた体験をしたことがあります(乗り打ち=移動+公演の予定だったのですが、結果的に35分遅れでホールに到着し、45分遅れでコンサートが開催されました。この話についてはまたどこかでお話しできることもあるでしょう・・・)。
台風などによる電車の計画運休とかそういうのも実施されるようになってきていて、昔と今とでは危機管理というものが変わってきている。這ってでもコンサートに行く、そういう時代ではなくなりました。
こういう自然現象の変化に伴い、コンサートの中止や延期もしばしば起こっています。そういう時の金銭的保障はどうなるの?悲しき業界人の性と言いますか、そういうこともついつい考えてしまうのですが、人命が第一なのは間違いがなく、こういう時には迅速かつ倫理的な行動が求められることもまた疑いがありません。
環境活動家が絵に異物をぶっかけたり、コンサート会場で演説を始めたりすることは、うざいなー、と思いますけれど、彼らの主張にも(手段はともかく)耳を傾けるというか、ともに考えるということもしなければなりませんね。音楽というのは生活必需品ではないだけに、さらによく考えなければならないのかもしれません。
イスキアの人々の苦しみが最小で済むことを願っています。
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