ロイヤル・オペラは新制作の《トスカ》をイスラエル・オペラに貸し出さない

イギリスのロイヤル・オペラは、来年イスラエル・オペラに新制作の《トスカ》のプロダクションをレンタルすることになっていた。つまり舞台装置、小道具、衣装を貸し出すことになっていた。なしてそげんことが?これはまあ要するにお互いにとってセーブマネーってことですね。それに、お金だけでなくたぶん地球にも優しい!

だが、ロイヤル・オペラで最近立て続けに起こった中の人たちによる抗議を受け、レンタルを撤回することになったそうです。詳細はガーディアン紙へどうぞ。

ひとつは、ここでもお伝えした、出演者のダニエル・ペリーがカーテンコール中にパレスチナ国旗を掲出したこと↓

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そしてもう一つが、それをうけてロイヤル・オペラで働く182人が連帯を表明する声明文を出したこと。40名は実名で、残りは報復を恐れ匿名で署名した。

この40名の勇気がすごいなと思います。自分のところに同じ文書が回ってきたら実名で行けるか?みなさん行けます?匿名の署名なんて意味ない、と思うかもしれませんけれど「仕事を失うかもしれない」と思ったら実名で署名なんてなかなかできないと思いますよね。

あと「匿名でもいいから」と誰かが言ったから182人にまで膨れたんだと思うんですが、なかなかすごいことを思いつくな!と思いました。国旗を掲出したペリーに対してオペラ部門のディレクター、オリバー・ミアーズは「もう二度とオペラハウスで働けないだろう」と発言したそうで、そういう報復があるかもと感じればなおのことですね。

ただまあこれ(匿名での署名)が常態化するとあまり意味がないというか、悪いことをする(勝手に水増しする)人も現れそうなので、そうそう使える手法ではないかもですけれど、今回についていえば効果的だったかもしれません。

あと、英国政府が、条件付きでパレスチナを国として承認する意向の発言をしたことも決定を後押ししたのかもしれませんね。

ガザの危機に対してイスラエルの多くの人たちの心にも響いて行きますように。いやハマスが!!とかそういう対立を煽るのではなく、平和な解決に向け、お互いの銃が下ろされる日がすぐに来ることを願います。

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