なんでかなの記

最近本を読む時間がないなと思っています。自分でいうのもなんですが、若い頃はあんなにせっせと本を読んでいたし、なんとなれば授業中にさえ読んでいた気がするのに。インプットがないところにアウトプットはないわけで、私の頭脳もこのまま衰えていったらいかんなと思うわけです。

そこで「なんでかなの記」ですね。濱田滋郎。

なんすか。濱田滋郎のエッセイですね。新しく出たエッセイというか、もう3年以上も前にお亡くなりになっているわけだから新しいわけはなかろう。そうなんです。過去に連続して書かれた文章をあらたに編集して作られた本ですね。

『泣いた赤鬼』の著者のご子息だから、というわけでもないのですが、濱田滋郎さんの文章はこう、よどみがなく美しくさらさらと流れていくのであるよなと常々思っていたところ、「濱田滋郎の作り方」みたいな、自伝的な部分、子ども時代のお話もけっこうあってですね、なるほどなあ、こうやってあの文章は出来ていったのか!とたいへん失礼ながらとても感動いたしました。

「テテテテテテテテテ・エネ将軍」の小話に大爆笑し、高くて絶対に買えないロルカ全集をお父様にぽんと買って貰った話にうわーっうわーっ、と目頭があつくなったのでした。高校を中退して、ぼやぼやしながらも独学でスペイン語を学んでいった話でありますとか、ついにスペインに行ったのは実はけっこう遅くなってからだったとかいう話にも、うーむ!!といろいろ感慨深い。

インプット、そしてアウトプット。自分もそういうのをやっていかないといけないなという思いを新たにさせられる本でした。もちろん、スペイン音楽が大好きでたまんねーやという方には間違いなく気持ちよくお読みいただける本だと思うのでおすすめ。子育てあるいは勉学とは何かということを考えさせられる内容もたっぷり詰まっていて、私にもおすすめの本なのであった。

もっと詳しく知りたくなったあなたはぜひお読みください。新しい出版社の初めての本のようです。版元のオンラインショップで買うとミニステッカーも付いてくる!!

コメント

コメントする