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人間いろいろ、手の形いろいろ(『近衛秀麿の手形帖』)

なんと奇っ怪な本が出たものだなあと思っています。こうして2024年に本になるなどということは、収集していたご本人も想像だにしなかったのではないでしょうか。著名な音楽家の手形を、自分で書いて貰った、それを並べましたという、とてつもなく時間がかかっていて、かつ、誰のためになるのこれは、という類いの本です。「近衛秀麿の手形帖

日本人はコレクションが大好きですよね。棚に並んだ楽譜、レコード、CD、本・・・。のび太は王冠を集め、切手を集めた。私も子供の頃は謎に切手を集めるということもしていたと、いま突然思い出しました。ビックリマンチョコもな。

コレクションで最も大切なことは何かというと、レアな、他人には手に入れることの出来ない何かをゲットして悦に入る、そこなんですよね。うひひ、これを持っているのは私だけだ。そのような気持ちが人をさらなる収集、さらなるアドレナリンへと駆り立てるのだ!

日本を代表する音楽家だった近衛秀麿が、こんな趣味をお持ちだったということもにまず驚くわけです。何十年もかけて。「どうやるか」も印刷されているオリジナルな手帳をわざわざ作成して、世界の音楽家たちにたのんで書いて貰う。すごいですね、よう飽きなかったな。これはドヤものですね。

何の役にたつんですかこれは!!と問われればたぶん何の役にもたたない。なんかわからんけどこれはすごいかも、いや、すごい。そういう類いのものです。いいですか、世の中というもの、なんかわからんけど凄いと思わせたもん勝ちです。この本はそういう意味で圧倒的に価値、ではなく勝ちなのです!!

もちろんこの本にある手は原寸大とあります。自分の手をあててみて、ほえーこんなに形が違うんか、大きさが違うんかということにびっくりできるわけです。親指の出てくる位置、なんでこんなところなんや。いや、私の親指がおかしいのかなオヨヨ。用紙に入りきらずはみでてしまっている手とかもあって、リアルだわ。

音楽業界というのはニアリーイコール噂好きの人たちの集まりでもあって、近衛秀麿先生が手形を収集してたらしいぞ、というのは皆さんご存じでも全くおかしくないのですが、いままでそれが知られることがなかったのは(私が知らないことをみんなが知らない、と広げるのはどうかと思いますけれど)、びっくりだ!

ストラヴィンスキー、ストコフスキー、フルトヴェングラ-、シャリアピン・・・。ピアノ科出身としてはシャリアンピンと仲の良かったラフマニノフの手形がないのは心残りだが、好奇心をこれ以上ないほどにかき立てられる、ものすんごい本だわとニタニタ笑っています。

近衛秀麿の手形帖
アルテスパブリッシング/5800円(消費税別)

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