長文の記事が出まして、何かというと、シカゴ交響楽団の音楽監督、ムーティがその役を終えたその職を次に継ぐのはだれか、という予測ものですね。予想、予測、推測、皮算用、そのあたりの話はみなが大好きですね。私も大好物です。今夜の夜ご飯は我が輩はコロッケがいいです。いいナリとも言う。
シカゴ交響楽団の次の音楽監督はマリン・オルソップにならないのか。夏の、シカゴ交響楽団が深く関わる音楽祭、ラヴィニア音楽祭では彼女が監督(キュレーター)を務めているじゃないか、ということで、本人やオーケストラ事務局にインタビューをした記事がこれです。長いです。
Ms. Maestro: Is Ravinia’s Marin Alsop in Line to Succeed Muti at the CSO? – Newcitymusic
https://music.newcity.com/2023/07/07/ms-maestro-is-ravinias-marin-alsop-in-line-to-succeed-muti-at-the-cso/
本人はどう思っているのかというと、そうなったら素晴らしいが、今後20年はそういうことはないだろう、とのことです。それはなぜかというと、一つはアメリカ人であること、そしてもう一つが女性であること、この2点なのだそうです。
シカゴ交響楽団はアメリカ人が音楽監督になったことはこれまでにない、ゼロ。まして女性がなったことはなかった。自分がボルティモアの音楽監督になって「よし、これでもっと女性が増える」と思ってから、次の女性、ナタリー・シュトゥットマンがアトランタで監督になるまで16年かかった。
というわけで、それぞれの壁を打ち破るのに20年、といういい方をしているのです。これはまあ額面通りに受け取る必要はなくて「まだまだ先だろうよ」ぐらいの意味でしょう。
事務局はというと、いままさにいろいろな人を当たっていて、誰もが可能性を排除されていない、マリンは素晴らしい成功を収めており、毎回が楽しみだ。今後もシカゴ交響楽団の常連であり続けることを確信している。といったいわば当たり障りのない表現であります。
マリン・オルソップについては「一般的に言って優れた音楽監督のスキルをすべて備えている。」と高評価。「プログラムの作り方を知っている。コミュニケーション能力にも長け、寄付やスポンサーを呼び込む能力も素晴らしい。」
ラヴィニア音楽祭の事務局も「彼女はとても頭が切れるが同時にとてもフレンドリーである。これほどに親しみやすく、才能があり、尊敬されている指揮者そうはいない。三拍子のそろった稀な指揮者だ。そして先見の明もある」
「バーンスタインは女性が指揮者になるべきではないと言っていたが、マリンがその考えを変えさせた」
私も去年の秋、ポーランド放送交響楽団のツアーに同行してダバダバお話をさせていただきました。めちゃくちゃフレンドリーなおばちゃんです。それは誰あろう、この私が言うのだから間違いはないっ!(偉そうすぎでごめんなさい)
このインタビューはいろいろ書いてあって考えさせられるし面白いんで、みなさんもgoogleとかdeeplとかに翻訳して貰いながらお読みください。
マリン・オルソップそして女性指揮者たちは、旧世代の人々の分厚い偏見を打ち破り、今後ますます活躍していく。
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