ワシントン・ナショナル・オペラ、長年の本拠地だったケネディ・センターを去ることに

1971年に建てられたケネディ・センターが先日トランプ・ケネディ・センターに改名されたことで物議を醸したわけですけれども、こんどは1971年からずっとここを拠点にオペラを上演してきたワシントン・ナショナル・オペラがここを出ることになったそうです。アメリカを代表するオペラカンパニーの一つであり、2000年から2011年まではプラシド・ドミンゴが総監督を務めていたことでも知られます。もちろんフレミングやネトレプコといった大スターたちもここの舞台に立ってきました。現在の音楽監督はロベルト・スパーノ。

ニューヨーク・タイムズ紙の記事はこちら。「ケネディ・センターとの提携契約を早期に友好的に解消し、完全に独立した非営利団体として活動を再開することを目指す」とのこと。劇場側は、ワシントン・ナショナル・オペラが出て行ったら、代わりに海外オペラの引っ越し公演なども計画にしているようです。この先の公演もチケット販売を継続しているっぽいので、上演できそうなものはする、ということかもしれません。同時に、これからもよろしく!と書かれた新しいウェブサイトも用意されている。

これにともない、同劇場での公演を可能な限り速やかに中止し、経費削減をする、またトータルの公演数も減らすそうです。だがどこへ行く?会場はまだ決まっていないということで、決まっていないけど発表はせんならん、というあたり、急いでやらねばならぬ悲壮感が感じられるようです。

ワシントン・ナショナル・オペラの収益構造は、チケット代収入が30-60%で(わりと振れ幅が大きいなと思いましたけれどまあこれはそういうものかもしれません。チケットは売ってみないと売れ方がわからなかったりもするものなので)、残りは助成金、それから寄付で成り立っているのだそうですが、このごたごたで寄付が低迷し、チケット販売も40%減少したということで、背に腹はかえられぬということでしょう。実に厳しい。

倉庫、事務所、リハーサルスペースもこれまでずっと劇場内にあったので、別の所を探さないといけません。あと、3000万ドルもある基金を誰が今後管理するのかという点が極めて難しい問題である、とも書かれていました。それぞれが当然、自分たちの管理下に置きたいと考えているはずですから、激しい議論がなされるかもしれません。

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