ヴェルディが50年住んだ家の行く末は

ヴィラ・ヴェルディという名前のつけられたヴェルディのファンにとっての「聖地」があります。それは何かというと、ヴェルディが1851年から1901年に亡くなるまで50年にわたって住み続けたおうち。

ヴェルディはミラノスカラ座とかそういう煌びやかな場所のイメージもあるかも知れないけれど、基本は田舎住まい。広大な土地を買いまくって、畑仕事もして、そこからも収益をばっちり上げていた天才農夫であります。

ヴェルディが亡くなった後は遺族が暮らしながら博物館としても一般に開放されていたが、ご多分に漏れずと言いますか、悲しき人間の性と言いますか、相続人同士の血で血を洗う争いが生まれ、20年ものバトルの末に閉鎖を余儀なくされたのであった。最高裁によって閉鎖売却の判決が下ったのである。争いの果てに残ったのは徒労感であったということです。偉大すぎる祖先を持つと大変だなあ。

https://www.theguardian.com/world/2023/feb/05/italian-opera-houses-plan-verdi-shows-to-help-government-buy-composers-home

原稿、ピアノ、衣類など、7600点もの遺品も含まれたこのおうちはオークションにかけられることになっており、入札開始価格は3000万ユーロ(42億円ぐらい)だとのことであります。イタリア政府が購入に名乗りを上げていて、予算として2000万ユーロ(28億円ぐらい)を計上しているそうなのですがちょっと待ったぁああああ!!!出た!ちょっと待ったコール!!!!(古すぎる)

1000万ユーロも不足してますやんか。じゃあどうするの、ということでイタリア中の歌劇場が協力してヴェルディのお家を買おうキャンペーン的なシリーズ「Viva Verdi」(ヴェルディ万歳)を6月まで実施して収益を購入資金に充てる、また広く一般市民からも寄付を募って資金を集める、と。つまり、ヴィラ・ヴェルディが今後どうなるのかはヴェルディ・ファンの忠誠心にかかっているとも言える。

試されるヴェルディ・ファン。

しかしいきなりオイルマネーがほいっとウルトラ高額で買っていかないとも限らず、ほら、最近のクリスティアーノ・ロナウドみたいなケースですね。桁外れのお金が出てきたら、そらあそっちになびきますわなあ。

ああ危機に立たされるヴェルディ。お家騒動のせいやぞ君ら反省しろ。イタリア政府と歌劇場とファンの連係プレーで無事に政府による購入が成り立つことを願っております。

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