ウィーン・フィルは1842年に設立され、オットー・ニコライがその第1回目公演の務めました。その時から数えて184年が経過しているのです。
なんと現在10677回分のコンサートの情報が掲載されているウィーン・フィルの充実のアーカイブを見ますと、第1回目の公演は1842年の2月28日で、ベートヴェンが中心となっておりますね。交響曲第7番をメインに?して、アリアなどが歌われております。その次のコンサートが11月27日なので、半年以上間があいていたことになります。それがいまや、立派にならはってシクシク。
184年もの伝統があるということは、やはり伝統に則って、そんな曲は演奏しません、というようなこともおありになろうかというものですが、このたびニューヨークでなんとナット・キング・コールおよびナタリー・コールの曲を演奏したとニューヨーク・タイムズに出ているではないですか。ナット・キング・コールの「アンフォゲッタブル」、そしてナタリー・コールの「モナ・リザ」。
なぜなのかというと、ナタリー・コールの双子の妹がウィーン・フィルのスポンサーの一人であり、ウィーン・フィルのアカデミーに奨学金を提供しているから、ということだそうです。スポンサーがそういうなら、ええで。
とはいえ、誇り高きウィーン・フィルですから、ポップスを演奏するというようなことは聞いたことがないように思います。ジョン・ウィリアムズの映画音楽コンサートはしていましたが、それにしてももともとオーケストラのために書かれた曲ですし、ポップスやロック、ジャズというものではないですね(とはいえ、もしかしたら過去に事例があるかもしれません。どなたか詳しい方、過去に例があったらお教えください!)。
スポンサーが言っても言うことをきかないということもあり得ますでしょう。指揮者の言うことだってきなかいことがある人たちですから。しかし「喜んで伝統を破った」ということをウィーン・フィル側が言っていて、なるほど、と思います。
大人の諸事情もいろいろあったのかもしれませんけれど、しかし、こうして例外も少しずつ認め、少しずつ時代にあわせて変化して行くということもまた、古い団体にも求められることなのかもしれませんね。ナット・キング・コールは、そうはいっても新しい人ではありませんけれど。


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