今年2月に95歳でお亡くなりになったヴァイオリンのコレクター、ノーマン・ローゼンバーグさんという方の70もの楽器が来年オークションにかけられるそうです。そこにはストラドも含まれているし、グァルネリやアマティもあるということだそうで、なかなか凄そうな感じ。全70の楽器の詳細なリストは来年1月後半に公開され、3月と6月の二回にわたってオークションが開催されるのだそうです。でかい箱8個に入った大量の弓のコレクションもあるそうです(弓がオークションにかけられるかどうかは不明)。
https://ingleshayday.com/features/ingles-hayday-to-sell-the-private-collection-of-norman-rosenberg/
部屋にヴァイオリンを見に行った鑑定家はお宝の山に興奮したとあります。部屋の隅の、半分本棚に隠された秘密の小さなドアを開けるとそこには大量の楽器が・・・。秘密の部屋っすね。やばいいまどきそんなんあるんすね。すげえ、すげえ、と言いながらつぎつぎとお宝を発掘したとあり、その場の高揚した雰囲気が伝わってくるようだ。つまりこういうことです「本人評価額、どうぞ!!!!じゃかじゃん!」「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん・・・・」「うおあ十億円!!」「ほんもののストラディバリウスですね。どうぞお大事になさってください。いい仕事してますね」(お宝鑑定団)
しかしいったいこの方が何者だったのかはいろいろ読んでも結局理解できなかったんですけれど、アンティーク・ディーラーの家系で、自分の店にもヴァイオリンを置いていた、とあるので、いわゆる古物商をされていたのでしょうか。いやそれにしてもですよ、ストラディバリウスを含む高価なヴァイオリンをたくさん買い込めるというのはなかなか簡単なことではない。ビジネスがめちゃくちゃ成功したのか。うらやましいことだ。
しかもヴァイオリンの売買はほとんどしていなくて、むしろコレクターである、というようなことも書かれていました。若者や新進ヴァイオリニストに貸すことはあったが売るわけではなかった、と。なんとも不思議な方もおられたものだ。貸すのは無料だったのだろうか。いやー、繰り返しになりますけど、どうやって高いヴァイオリンを買ったのだろうか。不思議でならない。これだけの楽器に囲まれた人生とはいったいどういうものだったのだろう。しかし好きなものに情熱を注げるのは素晴らしいことだ。
そうしてオークションによって貴重なコレクションは散逸するわけですが、投機のために使われるのはなく、よい買い手がつくといいですね。ヴァイオリンは弾かれてこそ意味があるのであります。「投機の対象にしないで」と地球の片隅で小さく叫んでみるテスト。
コメント