戦争の終結が見られる様子はありません。しかし今年の夏はモスクワおよびサンクトペテルブルクでチャイコフスキー国際コンクールが予定通り開催されます。
このコンクールに参加することに関し私個人としては「あまり積極的であってはいけない」と考えています。もちろん戦争のことを考えてです。
しかし、これまで幾多もの才能を輩出してきた世界屈指の大コンクールであり、開催が4年に一度で年齢制限もあって、人生で参加出来る回数がわずかということもあります。そりゃあまあ、、、出たい、、、よね。今年の参加者の数はどうなるのだろうか、と気にしていましたところ、今年の参加者の数が公式サイトに出まして、41ヶ国から742名の参加申し込みがあった、とのことです。
Applications for participation in the XVII International Competition named after P.I. Tchaikovsky came from 41 countries. – THE XVII INTERNATIONAL TCHAIKOVSKY COMPETITION
https://tchaikovskycompetition.com/en/news/440.htm
41ヶ国とは:ロシア、中国、韓国、モンゴル、日本、ベラルーシ、カザフスタン、アメリカ、ウズベキスタン、フランス、スペイン、セルビア、メキシコ、イギリス、ベネズエラ、カナダ、オーストラリア、アルメニア、ドイツ、グルジア、イタリア、モルドバ、シンガポール、スイス、オーストリア、アゼルバイジャン、ハンガリー、ベトナム、インドネシア、キルギス、コロンビア、コンゴ、リトアニア、モザンビーク、オランダ、パラグアイ、シリア、トルコ、ウクライナ、南アフリカ、スウェーデン。
特にロシア、中国、韓国、日本、ベラルーシ、カザフスタン、アメリカ、フランスからの応募が多かった、とも公式サイトに書かれています。
なるほど・・・。
上が本当だとすれば、前回の2019年、第16回の参加申込者は58ヶ国954人でしたから、その数は減ってはいるものの大幅に減じたというほどでもありません。
「ええんかみんな」と思ったのですが、こうしてたくさんの人が申し込んでいるということは「戦争は戦争、文化は文化」として若いみなさん割り切ったということでしょう。とはいえそんな簡単にはわりきれなくて、悩みに悩んで提出したという方もおられるでしょう。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、あるいは人の噂も七十五日といったことわざが日本にはあります。かつてムラヴィンスキーやオイストラフ、リヒテルなどソ連からいろいろな音楽家が訪れていた日本であります。そういえばこのコンクールの時って戦争中だったよね、そんなこともあったよね、なんてということに5年後10年後15年後にはなっているかもしれない。むしろ誰も、むしろ私自身もほぼほぼ気にしないようになっているという可能性もある。
ただ、日本はロシアと陸続きではないが隣国である、すぐそこに脅威がある、そしてロシアがウクライナに戦争をしかけている最中である、日々死者が出ている、ということを、今回参加を決めた方も絶対に心に留めておいてほしいと思います。
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