行方不明だったストラディバリウスの発見?メンデルスゾーン家が所有していたものの金庫から盗まれ行方不明になっていた楽器をめぐる奇妙なストーリー

考えてみてください。

あなたがストラディバリウスを持っているとする。ところが突然、知らない人から連絡があって、あなたの持っているストラディバリウスは実はニセモノで、イチキュッパの価値しかないガラクタだと。

そらあ愕然とするし、仰天するし、なんかの間違いじゃないかと思う。それが当然の反応ですよね。そして次に待ち受けるのは疑心暗鬼である。

では、もう一つの思考実験。あなたがストラディバリウスを持っているとする。ところが突然、知らない人から連絡があって、あなたの持っているストラディバリウスは実は違うストラディヴァリウスで、紛失し行方のわからなくなっていた楽器だった、と。

うーむ。これはこれでなかなか仰天のストーリーですやんか。ニューヨーク・タイムズのレポートによりますとつい最近そういう話があって、メンデルスゾーン一家が所有していたものの、ベルリンの銀行の金庫から盗まれてなくなったままになっていたものである、と。

2000年にニューヨークのオークションで落札されたというストラディバリウス「ステラ」がそれだというのです。

証拠は、お写真ですね。過去のメンデルスゾーンのストラドと、そのステラなるストラドのお写真を比較するとクリソツだったわけ。クリソツの意味がわからない方は、どうか笑って許してほしい。クリソツクリソツクリソツ・・・・・・そっくり!!!!

弦楽器は、指紋と同じで、長年の使用による傷や凹みが残るのです。

製作年はステラが1707年、メンデルスゾーンが1709年で、果たしてどっちが正しいの。写真を詳細に見比べた結果、高級弦楽器オークションの専門店タリシオの人もこれは失われた楽器であると同意したと。さらに複数の専門家も間違いないと言ったと。詳細な比較はここにありますんでとりあえず見てきてください。

とはいえ、実物をみてみぬ事にはわからぬ!フェイクも多いこの世の中!!というわけなのですが、所有者が話し合いを拒否。これはどうしてか。イチキュッパのガラクタではないのは間違いがないのだから話し合ってもいいのではと思うのですが、苦労して手にした名器を手放さないといけないことになるのはつらい、とかそういう思いもあるかもしれませんし、もしかすると高圧的に話し合いを持ちかけられてムカムカムカしたのかもしれない。

そこはわかりませんが、いずれにせよ真偽が明らかになり、もやもやが早期に解決することを、東京の片隅からお祈りします。

ピース。

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