ロンドンのオーケストラの調査によると84%がオーケストラを聴きたいと思っているそうです。ソースはロイヤル・フィル。
ロイヤル・フィルは毎年いろいろ調査をしていて、そしてそれを公表していてとても面白い。この調査は純粋に調査のためにやっているのではなくて、オーケストラの生き残り対策としてやっているのだと思うんですが、つまり、こういう結果を受けてうちはこうします、だからチケット買ってよね、寄付してよね、サポートしてよね、というそういうやつですねきっと。イギリスの他のオーケストラからはこういう発信がないんで、あるいはあるかもしれないがこうしてアジアの最果てまでは届いてこないんで、そういう意味で戦略が機能していると言えましょう。賢い。褒めすぎかもしれませんけど、じつに賢い。
で、調査対象は2000人。2018年以来5年ぶりの調査によって明らかになったのは、オーケストラのコンサートへの関心の上昇だというのです。前回は79%だったので5ポイントの上昇だというのです。私の検索がへたでロイヤル・フィルのサイトにその資料を見つけられんかったがクラシックFMが伝えているのでどこかにちゃんとあるんだと思う。
84% of the general population want to experience an orchestral concert, new study reveals – Classic FM
https://www.classicfm.com/music-news/survey-research-royal-philharmonic-orchestra/
なるほど興味深い。
とはいえいわゆるクラシック音楽のレパートリーよりも、ミュージカルや映画音楽、ポップス作品をオーケストラで聴いてみたいと感じているようです。
なるほど興味深い!!
オーケストラのコンサートを全く経験したことのない人のうち24%が映画音楽のコンサートに興味があり、42%がポップスをフィーチャーしたオーケストラのコンサートに興味があるといっている。
これを受けロイヤル・フィルのトップ、ジェームズ・ウィリアムズさん、この方には一度お会いした事がありますが、映画ミニオンズにでてくるグルーさんのようなお顔をされていてめちゃくちゃ優秀な方です。新幹線でもラップトップでお仕事しまくってました。はっ、そうか!!ミニオンズ・・・・だから映画と親和性が高いんだな!!!!
ジェームズ・ウィリアムズさんは「今後のオーケストラの聴衆を増やすため集中が必要、より幅広いプログラムを提供するよう努めている。オーケストラの仕事は、人々が何を聴くべきかを規定することではなく、むしろ発見の旅を育むことである」と語ったと。
日本でもこういうコンサート、よくやられていますね。いまはどちらかというと特別演奏会、みたいな立ち位置かもしれませんが、やがては映画音楽、ゲーム音楽、ポップス、そういった内容のコンサートがオーケストラの定期演奏会でバンバン演奏される時代が来るのかも知れませんね。
ではオーケストラではなく器楽や室内楽ではどうでしょう。この調査結果になんらかのヒントが隠されているかもしれませんね。
キーシン・プレイズ・ロード・オブ・ザ・リング
レヴィット・オン・シネマ
こういうコンサートがあったらどうか。
もちろん、マニアックなコンサートをなくしてしまえと言うものではありません。とはいえ、レパートリーについても、重箱の隅をつつくというか「知られざるなんちゃら」というのを探すのも面白いかもしれないし重要なことかもしれないが、それはもしかすると単なる自己満足や自分探しの範疇のものかもしれない。市場がどこを向いているのか、ということも、考える割合を高めていかなければならないのでしょう。
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