なかなかニッチな話でございますね。ロンドンにあるロイヤル・オペラ、またの名をコヴェント・ガーデン(コヴェント・ガーデンにあるから)が緞帳を注文。ベルベット、ビロードと言いますか緋色のカーテン。緞帳ほか幕を交換ともあるので幕のたぐいを全部更新するということですね。
緞帳というのは実に憧れのグッズでして、グッズというには巨大すぎるが、ふわーっと開いたり閉じたりする様は実に心地よいですね。斜めにふわーっと、左右にスーッと、なんとなれば上下にひゅーっと行くこともあり、閉じた状態のまま、左右の緞帳に隙間をあけて、そこから人が出入りするなんていう裏技も可能。なお私が一番好きなのはやっぱり斜めにふわーっと開くあれ。昔は人力でやっていたんだろうね。いまはマシーンの力で、しかし限りなくなめらかかつ高速にふわーっと。興奮するわあ、あれ。
そう、ふわーっとカーテンがあいて人が拍手をまた受ける。これこそが文字通りカーテンコール、というものなのであります!ブラボーが飛び交い、聴衆のアドレナリンはこまかな汗となって劇場を埋め尽くし(そう考えるとちょっときたな・・・いえ、パーティクルがね、そうね)、今日はよかったね楽しかったね、ようやくすべてが終わり、そういってお帰りになる皆様の笑顔が我々の元気の源なのです。
ロンドンのロイヤル・オペラにある幕は26年の間使用していたもので、1万回以上の公演を目撃してきた。26年は長いようで短いようだ。1999年に新調されていたのですね。いよいよ寿命を迎えたので、新調するとのこと。新たに作られる緞帳はもちろんベルベットでありまして、幅9.75m、高さは10.8m。それが2ヶつまり対になって用いられるんです。
チャールズ国王のサイファーがあしらわれるとあるんですが、サイファーっていうのは個人記章っていうらしいんですが、まあとりあえずチャールズでっせ、ということを示す記号のようなものらしいっす。
新しい緞帳はGerrietsというドイツの有名な幕メーカーと英国王立刺繍学校による共同作業で製作され、お目見えは来年5月を予定とのこと。
きっとお披露目会は劇的に盛り上がるに違いない。新しい幕があいたりとじたり。いや、開いたり開いたりしてもいい。なんにせ楽しそうでしょうがない。
ビバ!新調!!


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